今回の「写真で見る~」のテーマは、カシオのGPSハイブリッド電波時計OCEANUS(オシアナス)「OCW-G1000E」だ。BASELWORLD 2015で発表された、バーゼルスペシャル「OCW-G1000S」と共通の「宇宙に浮かぶ夜の地球」をイメージソースとしながら、異なる表現を追求した意欲作だ。宝石箱のようなダイヤルの上を秒針が通過するたびに、散りばめられた反射光が揺れて煌めく。思わずため息を誘うOCW-G1000Eの美しさを、ぜひ堪能していただきたい。

OCEANUS「OCW-G1000E」

テクノロジー&エレガンス、そしてラグジュアリーに、とことん見惚れる

ずっと眺めていたいと思わせるクォーツ時計が、世の中にどれほどあるだろう。ブルーのベゼルに縁取られた白いアプライドインデックスが、ブラックのダイヤルに浮かび上がる。天頂に配された白蝶貝の「XII」は、時計であることを強く主張するだけにとどまらず、12カ月、12星座、12方位など、12という数の宇宙的な神秘と神聖さもまた連想させる。

その下に位置するオシアナスロゴ、2つのインダイヤルに配されたリング、時分針のシャープなエッジ。それらが、時計の角度を変えるたびに研ぎ澄まされたブルーの反射光を投げかける。そして中心には、ひときわ存在感を放つ再結晶サファイア。半円形甲丸針の秒針が歩を刻むたび、8面のカットがキラキラと煌めき、伸びやかな金色の光線と交錯するのだ。

ケースを開けた刹那、ラグジュアリーな麗容が目を奪う

XIIのインデックスには白蝶貝を象嵌

半円形甲丸針の秒針と、その軸に配された再結晶サファイア

秒針が動くたび、再結晶サファイアの8面カットが煌めく

秒針の動きを目で追っていくと、インナーベゼルに刻まれたUTC(協定世界時時)と世界の都市コードを辿ることができる。LON(ロンドン)、PAR(パリ)、ATH(アテネ)から始まり、RAI(プライア)まで。60秒間の世界一周だ。ちなみに、プライアとはアフリカの西端、セネガルの首都ダカール沖に浮かぶサンティアゴ島の国カーボベルデの首都である。

日本庭園の枯山水を思わせるダイヤルから外側に向かって、ブラックの都市コードリング、ブラックに金文字のUTC表記リングと立ち上がっていく。それらはまさに、時計的装飾の凝縮が織りなす美だ。

そして、内側に金環を携えたネイビーブルーIPベゼルと、その傾斜の曲率を心地よくキープしたままセットされるデュアルカーブサファイアガラスが、OCW-G1000Eの小宇宙を包み込む。そう、あたかも青きオービタルリングのように。

ソーラー電池を配したダイヤルの文様が枯山水を思わせる

ダイヤル上のパーツが織りなす輝きと立体感の競演

ブルーとホワイトのコンビネーションが効果的に配されている

ベゼルのエッジに浮かぶブルーとゴールドのハイライト

成層圏のような両面無反射コーティングのデュアルカーブサファイアガラス

ケースとバンドはチタン製で、高級時計の定番手法であるザラツ研磨仕上げ。面構成を強く意識して流れを付けられたヘアラインとミラー面が立体感を強調する。中でもひときわ目を引くのが、トップに大きな再結晶サファイアをセットしたりゅうず。ホームタイムやワールドタイムのセット時に、キラリと青く輝く多角形のハイライトがたまらない。それは、OCW-G1000Eのユーザーだけに与えられた、りゅうず操作の贅沢な一瞬なのだ。

ネイビーブルーIPベゼルとザラツ研磨で仕上げられたケースの美しさ!

りゅうずトップの再結晶ブルーサファイア。この存在感!

ザラツ研磨で仕上げられた美しいチタン無垢バンド。バックルは三つ折れ式

バックルまで妥協なく、端正に仕上げられている

無垢バンドは、コマひとつひとつの仕上げも美しい

なお、GPSを用いて時刻取得をする際に使用する4時位置のボタンも、ブルーとゴールドのコンビネーション特別仕様。衛星軌道上から位置・時刻情報を取得することの特別感を意識させてくれる。

少しずつ角度を変えて、ブルーとゴールドの反射光を味わいながら、矯(た)めつ眇(すが)めつ、心ゆくまで眺めていたい。そう、OCW-G1000Eが放つ美しさは、ある種麻薬的な魅惑を秘めている。今回の撮影の合間、私は金色の秒針を目で追いながら、世界を何十周しただろう。

スペシャルモデルとは何か、高級時計ならではの価値とは何か。OCW-G1000Eは、そんなことをあらためて教えてくれる一本だ。世界限定2,000個で、価格は25万円(税別)。6月10日発売。

GPS情報取得で用いる特別仕様の4時位置ボタン

「GLOBAL POSITIONING SYSTEM」の文字列が機能を主張する

飽きることなく、何時間でも見惚れていたいと思わせる時計だ

OCW-G1000Eは、身に付けることでユーザーの背筋を伸ばしてくれる、そんな時計とも感じる