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経済誌「Forbes」が「The World's Most Powerful Women 2015」として、パワフルな女性100人を発表した。今年トップに選ばれたのは、ドイツ首相のAngela Merkel氏。政界、財界とさまざまな業界で活躍する女性100人がそらったが、日本からのランクインはなかった。

先の来日が記憶に新しいMerker氏のナンバー1は納得がいくところだろう。ドイツ国内と欧州連合(EU)、世界で課題は山積みだが、好調なドイツ経済を後ろ盾にMerker氏への期待が高まっている。小柄ながらパワフル、飾らない前向きさが信頼につながっているようだ。Merker氏のトップは2014年から2年連続となる。

2位は、米国で初の女性大統領となるかが注目されるHillary Clinton氏、2004年にForbesがMost Powerful Womenランキングを開始して以来、毎年入選している常連だ。順位は前年6位からのアップ。3位は、世界の長者番付ナンバー1のBill Gates氏と慈善団体を運営するMelinda Gates氏で順位は昨年と変わらず。

4位以下は、連邦準備制度理事会(FRB)初の女性議長Janet Yellen氏、主要自動車メーカーでは初めて女性のトップとしてGeneral MotorsのCEOに就任したMary Barra氏、国際通貨基金(IMF)理事のChristine Lagarde氏、ブラジル大統領に再選したDilma Rousseff氏、FacebookのCOOで日本でもよく知られているSheryl Sandberg氏、GoogleでYou Tubeトップに就任したSusan Wojcicki氏、そして米大統領夫人のMichelle Obama氏と続いている。

このほかにも、BurberryからAppleに移籍し、リテールトップを務めるAngela Ahrendts氏(25位)、SpaceXのCOO、Gwynne Shotwell氏(90位)、ベンチャーキャピタル業界が注目する31歳の女性起業家でビリオネアの仲間入りを果たしたTheranosの創業者兼CEO、Elizabeth Holmes氏(72位)などが選ばれた。

ハイテク関連ではIBMのCEO、Ginni Rometty氏(13位)、分割計画の行方が注目されるHewlett-Packard(HP)のMeg Whitman氏(14位)、Yahoo!のCEO、Marissa Mayer氏(36位)などのCEOが名を連ねる。年齢もさまざまで、今年初登場した一人である歌手のTaylor Swift氏(64位)は25歳、かとおもえばひ孫が2人誕生した英国女王Elizabeth II(41位)は89歳で、なお現役だ。

Forbesはこれらの女性の活躍に賛辞を送ると同時に、男女の間に依然として差が生じていることも指摘する。2015年1月時点で首相や大統領などの立場にある女性は10人、S&P 500のCEOに女性が占める比率は23人(4.6%)という。ハイテク企業ひしめくシリコンバレーになると、比率は9%に落ちる。世界に1826人いるというビリオネア(億万長者)のうち、女性は11%の197人とのことだ。

地域別に見ると、トップ100のうち59人が米国人(米国に移民した人を含む)だった。このほか、アジア太平洋から18人、欧州からは12人、ラテンアメリカと中東は各4人、アフリカから3人だった。今年のリストの中に日本人は入っていない。