【レポート】

日本でも注目を集める第4の産業革命「Industry 4.0」 - マキシムが提案するインテリジェンスな機器を実現するソリューション

Maxim Integratedの日本法人であるマキシム・ジャパンは6月3日、同社の注力分野の1つである「産業機器」向けに関する説明会を行った。

マキシム・ジャパンの代表取締役社長である滝口修氏

マキシム・ジャパンの代表取締役社長である滝口修氏は「日本には世界トップクラスの製造関連企業が複数あり、Maximが成長するための重要なファクターとなる」とする一方、「日本の顧客からは良い意味での厳しいご要求をいただいているが、そうした声が、将来の新たなイノベーティブを生み出すための大きな糧となっている」ともし、産業機器分野における日本市場の重要性を強調した。そんな産業機器の近年のホットトピックスとなっているのがドイツで提唱されている「Industry 4.0」であり、「日本の産業機器メーカーも徐々に興味を高めてきている」(同)とする。

Maxim IntegratedのVice President兼General Manager,Industrial & healthcareであるSui Shieh氏

第4の産業革命とも呼べるIndustry 4.0について、Maxim IntegratedのVice President兼General Manager,Industrial & healthcareであるSui Shieh氏は、「いわゆる"スマートファクトリ"の実現。つまり効率性を向上させつつ、メンテナンスの頻度を減らし、工場のフレキシブル性の向上を図ることを目指した取り組みであり、究極的な目的である高品質なものを低価格で生産する、といったこれまでの産業革命と根本は同じものである」とする。では、Industry 4.0を実際に実現するためにはどういった技術が必要となるのか、その答えとして同氏は「より多くのインテリジェンスを機器に搭載していく必要があり、そのためにはセンサが大量に必要であり、それらのデータを処理するための高い演算性能も必要となってくるが、工場に設置できる装置のサイズは簡単に変えることができないので、そうした各種のセンサなどを取り込みつつ、各種のコンポーネントを小型化する必要がある」とし、そのための半導体の開発をMaximが行っているとした。

第1の産業革命は有名な蒸気機関による工業化の進展、第2の産業革命は蒸気機関から電気への変化、第3の産業革命はPLCの活用によるIT化、そして第4の産業革命はネットワークやセンサを活用し、より産業機器そのものが状況判断を自律的に行えるようにしようといったものとなる

Industry 4.0は似たような名称や取り組みも含め、そうした動き自体は世界的なものとなっており、すでに半導体デバイスからモジュール、コンポーネント、機器まで様々なものが対応している。例えば独FESTOは磁気作動による小型の近接センサを開発しているほか、制御装置である「PLC(プログラマブルロジックコントローラ)」をインテリジェンス化し、それを活用してPLCの生産を行う独Siemensや、インテリジェンスを高めることで、メンテナンスタイミングを自動的に知らせてくれ、ダウンタイムの削減につなげるボーイング787に搭載されるGE製のGenxエンジンなどがある。Maximもそうした製品を開発したい企業に向け、手のひらサイズのPLC「Micro PLC」をデモプットフォームとして用意している。

実際にカスタマに提供するのはMicro PLCを構成する各リファレンスボードであったりするが、これを活用すると、従来のPLC比でI/O処理能力は70倍程度高速化しながら、1/10程度の小型化を図ることが可能となる。また、熱も発生しにくい低消費電力設計のため、ファンを搭載する必要もないという点も特徴となっている。

Micro PLCのほかにもIndustry 4.0を実現するデモプラットフォームを複数用意しており、カスタマのさまざまなニーズに応えることを可能としているという

「Industry 4.0を実現したいカスタマに対し、我々は"低消費電力"、"低発熱"、"高精度測定"、"セキュア通信"の4つの技術を組み合わせたソリューションとして提供することが可能」とSui氏。中でも、「アナログ技術のインテグレーションが最大の武器」とするように、1パッケージで、センサから提供されるデータをプロセッサで処理し、それをセキュアな通信環境で送受信できる製品をすでに複数提供しており、今後も、Maximの強みを生かすことができるコンポーネントをIndustry 4.0を実現したいカスタマに向けて提供していくことを強調していた。

なお、今回同社がmicroPLCなどを用いて示したデモは以下の5つとなっている。

  1. MicroPLCを用いたデジタル入出力デモ
  2. MicroPLCを用いたアナログ入出力デモ
  3. 4chのIO-Linkユニットデモ
  4. 発熱を抑制した高電圧DC-DCステップダウンレギュレータ「Himalayaファミリ」のデモ
  5. MicroPLCを用いたBeer Mug Factoryデモ

Micro PLCのデジタル入出力と近接センサを組み合わせたデモ。近接センサの一定距離以内に物体が入った場合、LEDを点灯させるというもの

Micro PLCのアナログ入出力とライトセンサを組み合わせたデモ。マキシムのロゴマークの中心にライトセンサが設置されており、そこに一定量以上の光が照射された場合、LEDが点灯し、スピーカーから音がなるというもの

2015年4月に発表されたばかりの独自のIO-Linkマスターと複数の産業用センサを1つのプラットフォームで開発可能とするリファレンスデザイン「MAXREFDES79#」

「Himalayaステップダウンスイッチングレギュレータ」のデモ。60Vの入力と0.1A~3.5Aの出力電流に対応しながらも、手で触れてもまったく熱くない

Beer Mug Factoryのデモ。Micro PLCでロボットの一連の挙動を制御している。手順をざっくり説明すると、デモ用のタブレットにサインを書き込み、赤、白、緑の色を指定。同じ色の丸い紙がマグカップの中に入っており、それをカメラでとらえピックアップ、インクジェットプリンタでサインを書き込み、乾燥処理をした後、ロゴ入りカジノコイン(チップ)を入れ、来場者に提供する、というもの。ちなみに2014年に開催されたelectronicaでは、チップと交換でビールを注いでいたとのこと

実際に2014年のelectronicaで展示された際のBeer Mug Factoryのデモの様子

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