シャープは6月3日、ウォーターオーブンレンジ「HEALSIO(ヘルシオ)」の新製品発表会を開催した。2004年の初代モデル発売以降、最初から最後まで過熱水蒸気で調理するウォーターオーブンとして、進化を続けてきた本シリーズ。2014年9月に"プレミアムヘルシオ"として発売した「AX-XP100」の後継機が、今回発表された「AX-XP200」だ。AX-XP200はヘルシオシリーズの最上位機種に当たる。

ヘルシオ最上位機種の「AX-XP200」。レッド系とホワイト系の2色を展開

「○○いらず」でハードルを低く

シャープ 健康・環境システム事業本部 調理システム事業部長の久保正史氏

新製品のコンセプトは、これまでの「健康」「おいしさ」に加えて、「○○いらずで毎日使える!」。発表会に登壇した、シャープ 健康・環境システム事業本部 調理システム事業部長の久保正史氏は「今までヘルシオユーザーの方から『メニューがいっぱいあって使いこなせない』『毎日使うにはちょっと難しそう』というハードルの高さに対する不満の声をいただいていた」と、製品コンセプトを追加した背景を説明する。

ユーザーが不満を抱えているハードルの高さを解消するために、新しく搭載されたのが「まかせて調理」機能だ。まかせて調理機能とは、食材の種類や量、温度にかかわらず、一度に自動調理できるというもの。レシピに書いてある食材がなくても好みの材料で調理でき、食材の分量を計測する必要もなく、さらに冷凍・冷蔵・常温の食材が混在した状態でも同時に調理できるという、「レシピいらず」「はかりいらず」「解凍いらず」の3つを実現する機能だ。

レシピいらず

はかりいらず

解凍いらず

「まかせて調理」機能で、冷凍・冷蔵・常温の食材を一度にグリルするデモ

調理後の状態。解凍していない食材にしっかり火が通りつつ、常温の食材も焦げずに均一な仕上がり

「まかせて調理」(左)と通常のオーブン調理(右)の比較。オーブン調理では、パプリカ表面が焦げてしまっているのに、鶏肉はまだ生だ

「まかせて調理」はどうやって実現?

まかせて調理機能は、従来から採用されているシャープ独自の「ウォーターヒート技術」と、新たに加わった「赤外線ムーブセンサー」の合わせ技で実現。庫内天面の赤外線ムーブセンサーがスイングすることにより、左右・中央の各エリア別に食材の温度を見分ける。温度を見分けたら、食材の状態に合わせて過熱水蒸気の量を制御しながら加熱を開始。さらに、加熱をスタートしてからも「温度センサー」によって温度をモニタリング。温度の上がり具合から食材の量を検知して、最適な加熱時間に調整する。

ウォーターヒート技術は、温度が低いほうに、より多くの熱を与える特徴を持っている。これを利用することで、温度の異なる食材を一緒に調理しても、加熱ムラを抑えた仕上がりにできるとのことだ。

ウォーターヒート技術(左)と、赤外線ムーブセンサー(右)を組み合わせることで「まかせて調理」が実現した

「まかせて調理」の調理例。冷凍のまま各食材を並べるだけで調理できるため、解凍の手間いらず

ケーキとプリンも同時調理

シャープ 健康・環境システム事業本部 商品企画部の川村有里氏

シャープ 健康・環境システム事業本部 調理システム事業部 商品企画部の川村有里氏は、商品説明とデモンストレーションを行った。川村氏は「おまかせ調理機能のおかげで、お弁当や朝食のおかずを一度で調理できるなど、子育て中のお母さんにとっては時短にもつながる。火の消し忘れが心配な高齢者にも、ボタンを押すだけで簡単に使ってもらえる」とメリットを語った。

そのほか、従来機種とのちがいはメニュー数。8~10分で調理できる「スピードメニュー」は100種類となり、従来の67種類の約1.5倍となっている。また、上段で過熱水蒸気による焼き料理、下段でパワースチームによる蒸し料理を作れる「焼き・蒸し同時メニュー」には、「カンタンスイーツ」を追加。たとえば、上段でケーキを焼きながら、下段でプリンを蒸すなどが可能となり、同時調理メニューのバリエーションがスイーツにまで拡充されている。

「焼き・蒸し同時メニュー」には、スイーツのメニューも加わった

手動オーブン(熱風コンベクションとウォーターオーブン)の最高設定温度は、これまでの250℃から300℃にまで強化。庫内の気密性を高めたうえ、過熱水蒸気や熱風を効率よく循環させることで、よりすばやい加熱が可能に。予熱時間は300℃の場合が約18分、200℃の場合が4分台を実現した。

一方で、外形寸法や庫内容量については従来機種を踏襲。横幅49cm×奥行き43cmというコンパクトな設計ながら、約41cmとワイドな庫内幅を実現している。

幅49cmながら、庫内幅は約41cmとワイド

最上位の「AX-XP200」は、4.3型カラー液晶タッチパネルを搭載

ファンデリーの管理栄養士と共同開発した「ヘルシー食セット」メニューにも5メニュー追加された。「AX-XP200」では全94メニューとなっている

2015年の「ヘルシオ」4機種の仕様比較表