ダッソー・システムズ(ダッソー)は6月2日、同社の年次イベント「3D EXPERIENCE FORUM 2015」の開催に先立って記者説明会を開催し、同社の3D Experience Platform上であらゆるアプリケーションの運用を可能とする「パワーバイ」を発表した。

「パワーバイ」は、CATIAやSOLIDWORKSだけでなく、シーメンスPLM(シーメンス)、PTC、Autodeskなど競合他社のアプリケーションのデータを3D Experience Platform上に取り込み、編集したり社内で共有することを可能とする機能。自動車の開発を例に上げると、ダッソーのCATIAで設計したボディと、シーメンスのNXで設計したエンジンを組み合わせて編集するといったことができるようになる。これによって、部門や部品ごとに違うシステムを用いている場合でも、関係者間の連携が取りやすくなり、製品の開発を加速させることができる。

「パワーバイ」で他社CADのデータも活用可能に

また、ユーザーインターフェースはダッソーが力を注いだポイントの1つだ。具体的にはBOMを樹形図で見やすく表示したり、データの検索機能、操作方法など、コラボレーションを円滑にするためのさまざまな工夫がなされている。説明会で登壇したエグゼクティブ・バイス・プレジデント 最高戦略責任者 モニカ・メンギニ氏は「どのように見え、どのように動くかを統一することで、さまざまなシステムを同じように使えるようにする」と解説した。つまり、普段はNXに慣れている人でも、違和感なくCATIAのデータを扱えるように、という配慮だ。

同じく説明会で登壇した同社の社長 兼 最高経営責任者 ベルナール・シャーレス氏は「設計部門ごとにさまざまな種類のアプリケーションを使っているため、コストが高くつき不具合も発生している。(共通のプラットフォームを用いることで)認証規格などへの対応ミスを減らし、不具合やリコールを減らすことができる」と「パワーバイ」のもたらす価値を解説した。

「パワーバイ」の画面

最高経営責任者のベルナール・シャーレス氏

最高戦略責任者のモニカ・メンギニ氏