雪の中でも撮影したファースト写真集『瞬間』(ワニブックス 5月25日発売) (C)WANI BOOKS CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

――親御さんとしては「東宝シンデレラ」に選ばれる確信があったのでしょうか。

自信があったのかは分かりませんが、どれくらいまでわが子がいけるのか試す気持ちだったんだと思います。たぶん本当にやらせようとは思っていなかったんじゃないかと……。選考が進むにつれて「ちゃんとしなさい」と言われるようになりました。みんな特技でダンスをしていたりするんですよ。

1回目も2回目もずっとそういうアピールがなかったので、お父さんから「そんな特技はないのか」と聞かれました。でも、結局1回もしませんでした。順番を待っている時も周囲からいろんな声が聞こえてきます。ダンスを練習している人もいれば、歌っている人も。人に見せられるような特技はなかったので、本当に私は落ちると思っていました。

――ニュージェネレーション賞に選ばれた実感はどのあたりから?

実感はじわじわ来ました。自分の名前が呼ばれた時は信じられなかったんですけど、次の日の朝起きて、ちょっと実感が出てきたような……。この世界のことが何も分からなかったので、具体的なお仕事のことは、考えられなかったと思います。

――家族や友達の反応は?

親はうれしそうでした。お祝いのパーティーですか? 言われてみれば、してないですね(笑)。7歳下に弟がいますが、学校で私のことを結構言われるみたいです。友達は「観たよ」とか感想を伝えようとしてくれるんですけど、恥ずかしいので苦笑いしてたら、最近はあんまり言われなくなりました(笑)。でも、言ってくれるのはとってもうれしいです。

お芝居のことも最初は分からなかったのですが、徐々にこの世界の用語なども分かってくるようになって、今では台本をいただいて読むことがとても楽しいですし、その役について考えるのも楽しいです。

――2011年に受賞した上白石萌歌さんや萌音さん、山崎紘菜さんといった同期のメンバーは、浜辺さんにとってどのような存在ですか。

私は一番年下でみんなとは身長も全然違うので、オーディションもかぶることがないんです。なかなかライバル意識を持つことができなくて。マネージャーさんからはその意識を持つようにと言われるんですが、意識するのはオーディションで会った時ぐらいで。

みんな私にとっては頼りになるお姉さんたちです。オーディション以外だと、ワークショップやレッスンで会うことがあります。

みんな仲良しですよ。お仕事の話もしますが、ほとんどは「学校大丈夫?」って心配されることが多いです(笑)。

――「東宝シンデレラ」という冠に重圧を感じる時はありませんか?

そうですね。迷惑はかけたくないです。名前に負けないように頑張りたいと思います。私はいちばん年下ですし、お姉さんたちの姿を見て学ぶことができるので、安心しています。これからも構えないで、求められたことを全力でやっていきたいです。

――5月25日にはファースト写真集が発売されます。新潟と東京で撮影したそうですね。

2日間にわたる写真撮影は初めてでした。新潟は何回か撮影で行ったことはありましたが、こんなに雪の中は初めてでした。写真は毎回、どう写っているのかが気になります。映像だと役をいただけるので大丈夫ですなのですが、写真はちょっと恥ずかしいですね。ポーズを取るのが大変です(笑)。

――映画『エイプリルフールズ』は都内で舞台あいさつがありましたね。ご家族は?

舞台あいさつに行きたいって言われたんですけど、断りました(笑)。初めてだったので、お母さんがいたらもっと緊張してしまうから……。はじまったらお客さんの顔もしっかり見えて、やっぱり緊張しました(笑)。それから、共演者の方がずらっと並んでいたので、話す順番が回ってくるのが怖かったです。ユースケさんを筆頭に、皆さん面白いことを言うので……。ドキドキしました。

小学校3年生ぐらいの役でした。そのくらいの歳に見えるのか心配だったのですが、小学生らしい格好をしました(笑)。私はあの姿でしばらく過ごしていて慣れてしまったので、みなさんから見たらどうなのか気になります。私の中で小学生の役は卒業したつもりです(笑)。

――それでは最後に、あえて聞いてみたいと思います。浜辺さんの特技は?

昔は「変顔」とかいいなと思っていたんですけど。

――それはやめておきましょう(笑)。

そうですよね(笑)。最近は「フルート」と答えるようにしています。吹奏楽部に入っているので、いちおう人に「特技」といえるくらいまでは演奏することができます。

■プロフィール
浜辺美波
2000年8月29日生まれ。石川県出身。2011年に第7回東宝シンデレラオーディションでニュージェネレーション賞を受賞し、芸能界デビュー。同年、三木孝浩監督のショートムービー『アリと恋文』でスクリーンデビューを飾った。そのほか、映画は『エイプリルフールズ』(15年)、『逆転裁判』(12年)、ドラマはNHK連続テレビ小説『まれ』(15年)、『僕のいた時間』(フジテレビ系14年)、『女信長』(フジテレビ系13年)などに出演した。2015年5月24日には、ファースト写真集『瞬間』の発売を記念して、東京・神保町の書泉グランデにて握手会を行う。