MVNO各社では、この春より相次いで料金改定や新プランを発表しており、格安SIMサービスの選択肢はますます広がっている。hi-hoでは、同社が提供する格安SIMサービス「hi-ho LTE typeDシリーズ」において、月額770円の新コース「hi-ho LTE typeD エントリー」の提供を開始した。

同コースは月間2GBのバンドルチャージが付与され、月額770円(税込832円)というリーズナブルな価格で利用できるのが魅力。これから格安SIMを始めようと思っている人にも最適なコースと言える。本稿では、hi-ho LTE typeD エントリーについて詳しく紹介するとともに、他社サービスとの比較を行ってみたい。

hi-ho LTE typeDシリーズに新コースが登場

まずは、hi-ho LTE typeDシリーズの概要を改めておさらいしておこう。

hi-hoの格安SIMサービス「hi-ho LTE typeDシリーズ」

hi-ho LTE typeDシリーズは、インターネットプロバイダとしてもよく知られるhi-hoが、MVNO方式で提供する通信サービス。NTTドコモのLTEサービス「Xi」・3Gサービス「FOMA」に対応し、全国の人口カバー率100%の幅広いエリアで通信を行えるとしている。同サービスでは、コースごとに高速通信が可能なバンドルチャージが付与され、チャージ適用時の通信速度は下り最大225Mbps/上り最大50Mbps。チャージ非適用時の通信速度は最大200kbpsとなる。

SIMカード単体コースでは、バンドルチャージの容量とSIMカードの枚数に応じて、「ミニマムスタート」「アソート」「ファミリーシェア」といったコースが用意されている。料金プランは、バンドルチャージが月間3GBのミニマムスタートが月額933円(以下、金額は税抜)、月間3GBを最大3枚のSIMカードで利用できるアソートが月額1,409円、月間10GBを最大3枚のSIMカードで利用できるファミリーシェアが月額2,838円。また、ミニマムスタートの1年分の料金を一括で支払うことで割引される「ミニマムスタート 1年パック割」は年間10,000円となっている。

また同サービスでは、データ通信専用のSIMカードのほか、データ通信に加えて090/080/070番号の音声通話を利用できる音声通話対応SIM、データ通信とSMSが利用できるSMS機能対応SIMの提供も行っている。さらに、SIMフリーのスマートフォンまたはタブレットとSIMカードをセットにした端末セットコースも提供している。

このhi-ho LTE typeDシリーズで5月1日より提供開始された新コースが、月額770円で月間2GBのバンドルチャージが付与される「エントリー」だ。ミニマムスタートよりも割安な料金プランとなり、月額料金は税込でも832円で、月々の通信料を900円以下に抑えることができる。また、バンドルチャージは月間2GBで、高速通信をそれほど利用しない人や、格安SIMサービスを初めて使う人などに最適なコースとなっている。

hi-ho LTE typeD エントリーを他社プランと比較

ここで、hi-ho LTE typeD エントリーを他社の格安SIMサービスとの違いをチェックしていきたい。本稿では、ケイ・オプティコムが提供する「mineo」、IIJの「IIJmio」、OCNの「OCN モバイル ONE」の各サービスで通信容量が月間2~3GBのプランとの比較を行った。

図表 MVNO各社の月間2~3GBのプランを比較 ※拡大画像はこちら

各社の格安SIMサービスでは、まずmineoが唯一、KDDIのau 4G LTEに対応した通信サービスとなり、その他はドコモのXi・FOMAに対応した通信サービスとなっている。また、hi-ho LTE typeDシリーズとIIJmioでは、バンドルチャージ(バンドルクーポン)の容量を使って高速/低速通信を手動で切り替えられるのに対し、mineoとOCN モバイル ONEでは、月間の通信容量を使い切ると自動で速度制限が行われる方式となる。

通信容量は、hi-ho LTE typeD エントリーのみ月間2GBとなるが、月額料金は770円で最安。月間3GBもの高速通信は必要とせず、なおかつ料金を安価に抑えたい人にとっては、hi-ho LTE typeD エントリーがベストの選択肢と言えそうだ。

hi-ho LTE typeD エントリーはどんな人におすすめか?

それでは、hi-ho LTE typeD エントリーがどんな人におすすめのコースなのかを考えてみよう。最初に挙げられるのが、現在利用しているフィーチャーフォンを使い続けながら、とにかく低料金でスマートフォンを利用したいという"2台持ち"を検討している人だ。音声通話にはフィーチャーフォンを使い、スマートフォンはデータ通信専用の端末とすることで、エントリーコースであれば月額770円という低料金で運用できる。

前述の通り、高速通信を利用するためのバンドルチャージは月間2GBであり、それほど高速通信を利用しない人であれば十分な量と言える。また、高速通信を多く使いたい月であれば、100MB/200円など、100MB単位で追加チャージを購入して、さらに高速通信を利用することもできる。

もちろん、キャリアのスマートフォンからの乗り換えによって、hi-ho LTE typeD エントリーにスマートフォンを一本化することも可能だ。同サービスではMNP(携帯電話番号ポータビリティ)にも対応しているため、キャリアで使っている090/080/070番号をそのまま引き継いで利用できる。

エントリーコースの音声通話SIMは月額1,470円。一方、キャリアの新料金プランでは、音声通話は定額になるものの、エントリーコースと同様の月間2GBのプランで月額6,500円と高額となる。音声通話をよほど頻繁に利用する人でない限り、20円/30秒という通話料を考慮してもエントリーコースのほうが割安であり、スマートフォンの利用料金をかなり節約できると言えるだろう。

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hi-hoの格安SIMサービス、hi-ho LTE typeDシリーズの新コースとなる「エントリー」は、月間2GBで770円という通信容量と月額料金のバランスがほど良くとれたコースと言える。他社が提供する同程度のスペックのプランと比較してもリーズナブルであり、これからスマートフォンを始める人はもちろん、キャリアのスマホからの乗り換えを検討している人にもおすすめだ。ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。