フルHD液晶でなくても荒さはほぼ気にならない

Z3 Compactの購入を躊躇する人の多くが懸念しているのは、液晶の解像度ではないだろうか。先ほども紹介したように、Z3 Compactの液晶は表示解像度がHD(720×1,280ドット)となっている。それに対し、5インチクラスのスマホでは、多くがフルHD(1,080×1,920ドット)、またはそれ以上の表示解像度を実現している。

5インチでフルHD解像度があれば、肉眼でドットはほぼ認識できず、写真なども非常に高精細に表示される。実際に、同じ写真をZ3 CompactとフルHD解像度の5インチスマホに表示して比べてみると、Z3 Compactはわずかだが緻密さに劣る印象を受ける。

5インチフルHD液晶搭載の「Xperia Z」の液晶に表示した画像を撮影したもの。細かな部分までくっきり表示されている

こちらは、Z3 Compactの液晶に表示した画像を撮影したもの。Xperia Zの場合より細部の緻密さに劣る印象だが、横に並べてじっくり比べないと違いはわからないほどだ

ただ、違いはフルHDスマホを横に並べて見比べることで初めて認識できる程度。筆者は実際にメイン端末としてZ3 Compactを利用しているが、写真や動画を表示させたり、Webページを閲覧する場合でも、HD解像度による表示映像の荒さや不便さを感じたことはない。これは、液晶サイズが4.6インチとやや小さいこともあるが、よほど表示の緻密さにこだわらない限り、ほぼ問題ないと考えていいだろう。

こちらは、5インチフルHD液晶搭載の「Xperia Z」の液晶を接写したもの。文字や画像が非常になめらかに表示される

こちらはZ3 Compactの液晶を接写したもの。接写すると文字を構成するドットが見えるが、通常利用時に表示の荒さを感じることはほとんどない

逆に、表示解像度の低さが有利に働く部分もある。それはバッテリ駆動時間だ。スマホの全消費電力のうち、液晶表示に要する電力は比較的大きな割合を占めている。そして、液晶の消費電力は基本的に表示解像度に比例して増える。Z3 Compactでは2600mAhとそれほど大容量のバッテリは搭載していないが、実利用で1日以上の駆動時間を実現しているのは、消費電力の少ないHD液晶を採用しているからでもある。コンパクトボディのZ3 Compactだからこそ、HD解像度の液晶採用に意味があると言えるだろう。