富士通は11日、ビジネス向けのユビキタスIoTパッケージ「ユビキタスウェア」の開発を発表した。人や物の状態や状況、周囲の環境をセンシングするセンサーと、センシングしたデータを分析するマイコン、Bluetooth Low Energy(BLE)対応の無線通信機能を組み合わせたパッケージ。専門外の企業では活用しにくいセンシングデータを独自アルゴリズムで解析し、生データのままでなく、わかりやすいデータ(意味情報)に変換して提供する。

FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE ヘッドマウントディスプレイ

ユビキタスウエアを組み込んだデバイス第1弾として、0.4型ディスプレイを載せたヘッドマウントディスプレイ「FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE ヘッドマウントディスプレイ」を5月中旬から販売開始。

また、2015年12月をめどに、ペットの活動を遠隔で見守るペット見守りトータルソリューションをはじめ、屋内外で位置情報や装着者の導線、姿勢などを検出できる「ロケーションバッジ・タグ」、周囲環境や運動量などから熱ストレスを検知する「バイタルセンシングバンド」などを、順次提供していく。

  • FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE ヘッドマウントディスプレイ

ヘッドマウントディスプレイには、0.4型(854×480ドット)ディスプレイ、800万画素カメラ、マイク、センサー類を搭載する

0.4型(854×480ドット)ディスプレイ、800万画素カメラ、マイク、センサー類を搭載した非シースルーの片目用ヘッドマウントディスプレイ。インフラ設備の保守点検や工場内での組立作業など、両手を使う作業の際にハンズフリーで作業を支援する。

通信機能はIEEE802.11a/b/g/n、Bluetooth 3.0を搭載。内蔵カメラやマイクを使い、異常時の設備状況をリアルタイムでセンターへ送信するといった使い方ができる。防水性能はIPX5/7、防塵性能はIP5Xに対応。バッテリ駆動時間は最大4時間。本体重量は約315g。ヘルメットへの装着も可能。

アンテナ整備など、高所や倉庫の保守点検作業の利用を想定

そのまま装着することも、ヘルメットに着けることもできる。OSはAndroid 4.4、CPUはSnapdragon 400(APQ8026)で、RAMが2GB、ROMが8GB

付属のキーボードデバイス

駆動は単4形乾電池×2本で軽量

利用例。カメラの映像をミドルウェアを通じてセンターへ表示する

  • ロケーションバッジ・タグ(2015年12月予定)

ロケーションバッジ・タグ

移動経路推定技術を搭載したバッジ・タグ。装着者の位置を屋内外で高精度に測位し、移動経路のデータ取得および、姿勢や転倒の状態を検知できる。病院や商業施設、倉庫などで装着者や貨物などの管理、スタッフの安全強化、ディスプレイレイアウトや商品数量のの判断材料などに活用できる。

バッジの高さや移動速度、移動後の動きなどを総合し、装着者の転倒を検知しディスプレイ上に表示する

  • バイタルセンシングバンド(2015年12月予定)

バイタルセンシングバンド

リストバンドに搭載したセンサーで計測した湿度・温度・運動量・パルス数などの情報から、装着者周囲の健康状態や熱ストレスを推定するウェアラブル機器。短期間での気圧や加速度変化を検出し、装着者の転落・転倒を通知する。

装着イメージ。中央にインフィニティロゴが刻印されている

装着者の周辺環境を検知し、湿度が高い場合アラートを通知する

  • ペット見守りトータルソリューション(2015年12月予定)

ペット見守りトータルソリューションの活動センシング端末

2012年に個人向けに発売した犬用歩数計「わんダント」をベースに、小型化・軽量化を中心に進化。留守中のペットの様子をリアルタイム撮影したり、活動変化を自動で通知したり、熱ストレスや乾燥など環境への注意アラートなどを配信する。

ペットショップや動物病院など向けに、首輪などに装着する「ペット活動センシング端末」と、ケージや室内に設置する「ペット見守りステーション」をセットで提供する。

オプションのデバイス装着ケース

セットで提供する、カメラ搭載の見守りステーション

  • 遠隔見守りステーション(2015年12月予定)

遠隔見守りステーション

高齢者の住宅に設置し、外出や帰宅の検知、熱ストレスへの予防や対策、災害時の安否確認や捜索支援に活用する。本体のステーションに搭載したマイクで、発声や息、寝息、行動から生まれた日常の生活音を収集。生活状態の変化を検出し、個人の生活パターンと合わせて分析する。湿度センサーも搭載する。