使い勝手や設定方法にも注目

ルーターは設定を変更する際に、専用アプリを使うものと、ルーターにウェブブラウザーでアクセスし、ブラウザー上で設定するものの2つに分かれている。

専用アプリを使うタイプの場合、設定の操作が簡単なこと、セキュリティが比較的高めなことがメリットだが、そのアプリが使える機器がないと設定の変更ひとつできない。ウェブブラウザータイプの場合、ブラウザーさえあればゲーム機などからでも設定変更可能という点がメリット。どちらがいいとは一概に言い切れないが、ブラウザータイプはある程度知識がある人向けといってもいいだろう。

専用アプリタイプ代表、AirMacルーター。MacかiOS機器からしか設定できない

最近はゲーム機などを中心に、ルーター側のボタンを押すだけで自動的に面倒なSSID(ルーター名)やパスワードを入力せずに設定できる、自動設定タイプの製品も多い。これらは便利だが、基本的にローカルな規格なため、iPhoneなど、対応していない機器も多い。

ワンボタンセットアップ機能はメーカーにより「AOSS」「らくらく無線スタート」「Wi-FI Protected Setup」などさまざまな名前で呼ばれている。このロゴがついた親機のボタンを押して設定開始という点はどれも変わらない。

AOSS&Wi-Fi Protected Setupロゴ

一方、iPhoneやAndroidスマートフォン向けに、専用アプリを使い、ルーター側にシールで貼られているQRコードで手軽に設定を入力できるタイプも登場した。SSIDやパスワードなどは、せいぜい10~20文字程度なので、慣れてしまえば別段難しいものでもないのだが、設定が手軽だというのは確かに嬉しい話。ルーター選びの際のひとつの条件として考えてもいいだろう。

アイ・オー・データの「QRコネクト for iOS」を使うと、同社の親機本体のQRコードを撮影するだけで設定が完了する

モバイルルーターは選択肢そのものが少なめだが、どんな状況におかれるかわからないだけに、本体だけである程度の設定が行えるものがお勧めだ。また、屋外で使う場合、勝手に接続を試みられたり、通信を傍受される恐れがある。いわゆる「踏み台」にされないためにも、セキュリティはきちんと設定しておこう。ルーターの中には標準で暗号化や接続パスワードといったセキュリティ設定が行われていないものがあるので、ここはきちんと確認しておきたい。