マイナビニュースはこのほど、全国のマイナビニュース会員500人を対象に、“お寿司の好み”に対するアンケート調査を行った。お醤油やお酢の味、赤身と白身のどちらを好むかを訊ねて、地域性や県民性を分析した。

お醤油は甘口派or辛口派?

まずは、お寿司に使うお醤油には大まかに分けて、甘口と辛口があるが、全国的に甘口を好む人が多く、いずれのエリアでも過半数を超えた。しかし、中でも四国地方(徳島県、香川県、愛媛県、高知県)では90%が甘口と回答。中国地方(鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県)で81%、九州地方で(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県)76%と、中国地方以西で特にこの傾向が高かった。

一方、お寿司に使うお酢の味覚では、全国的に甘口が多く、東北地方(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県)の55%を除くエリアでは、甘口と答えた割合が75%を超えた。特に甘口と答えた割合が四国地方で100%、中国地方で86%、九州地方で81%と、お醤油同様、中国地方以西で甘口派の割合が高かった。

全国で展開する宅配寿司チェーン「銀のさら」広報の島田さんによると、「よく言われるお醤油に関しては、西日本は甘口、東日本は西日本よりも甘みを抑えたものにしています。お酢も甘いものと甘みを抑えたものふたつを用意しており、統計的にみると、北海道の方の好みは関西寄りな印象を受けます」とのこと。

赤身と白身の好みに関しては、全体的には赤身派が47%、白身派が53%とほぼ半々。地域別の傾向としては、赤身派が過半数を超えたのは北海道で62%、東北地方で55%、関東地方(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)で53%と、東日本エリアに集中した。これに対して白身派は、中国地方で70%、九州地方の67%、中国地方の57%の順に多かった。

上記の結果について、島田さんは「西日本は白身魚や青魚を好む傾向があります。タイ、ハマチ、カンパチなどです。これは一節には、マグロは江戸への献上物というイメージが強く、白身魚を多く食べていたからかもしれません」と分析している。

浜松ではGWにお寿司を日本イチ食べる

また、お寿司を食べる際の特別な時期として、「正月」、「誕生日」、「入学・卒業」といった祝いの席をはじめ、「親戚が集まったとき」、「帰省したとき」といった回答が多かった。また、昨今は全国的に広がった節分の日の“恵方巻き”や、関東地方、中部地方、(新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県)、近畿地方(三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)を中心に、ひな祭りの日の“ちらし寿司”や、中部地方・近畿地方で祭りなどの地域の祭事の際に“押し寿司”を食べるといった独特の風習を挙げた人が目立った。

島田さんによると、「元旦は高知県が全国で売上がトップ。これは正月にお寿司を食べる風習があるにも関わらず、お寿司屋さんがお休みであることが関係しているようです。正月三が日だと神奈川県がトップになりますね。12月31日の大晦日にお寿司を食べる風習があるのは、北海道、東北、新潟。年越し寿司のイメージがあるようです。12月31日は北海道が全国トップの売上を誇ります。お盆の時期は西日本、九州の売上が高くなります」とのこと。

さらに「浜松はゴールデンウィークにお寿司を多く食べる習慣があるようです。年間通じて、東京・大阪の売上が多いですが、この時期だけをみると浜松の売り上げがトップになるんです。初節句を盛大に祝う習慣が関係しているようです」とユニークな地域性を紹介してくれた。

ほか、お寿司の独特な食べ方で地域性が表れていた回答では、「寿司のえびは生が常識。火が通ったえびに愕然とする」(北海道)や、関東・中部・近畿地方を中心に醤油をつけずに食べるという人が多かった。

島田さんも「北海道の人は蒸しエビをあまり好まない傾向があるようです。これは新鮮なエビが近くで獲れるからかもしれません」とのこと。「それから、九州には海鮮巻きを付けています。九州や西日本は巻き寿司が人気なんです」と、地域ごとの嗜好に合わせてメニューの内容の一部を変えて提供していることを明かしてくれた。