制度変更などに関する報道で注目を集めている確定拠出年金。だが、確定拠出年金を導入している会社の社員で、良く分からないまま運用している人も多いのではないだろうか。そこで今回は、そういう方々に参考していただく意味も込めて、実際に確定拠出年金向け運用商品を提供している運用会社であるフィデリティの社員の方々が、どのような形で運用しているのか、さらにその運用成績はどうなのか、20代、30代、40代のそれぞれ各お一人に直撃した内容を紹介したい。

初回は20代のAさんにお話を伺った。


――まず、年齢、入社年、確定拠出年金の加入歴を教えていただけますか?

27歳、2013年入社、加入歴は2年です。

――確定拠出年金に加入する前の確定拠出年金に対するイメージを聞かせてください。

以前FPの勉強をしていたこともあり、「会社と加入者で資金を拠出し自分の投資判断で年金を作っていく制度。リスクは自分でとるものの、自由度も高い」というイメージはありましたが、ファンドの選び方など仕組みについては具体的には知りませんでした。というより、そこまで興味がありませんでした。

――日本の年金制度の将来への考え方はいかがでしょう。

日本の年金制度は現在の受給者からすれば必要不可欠なものだとは思いますが、将来的には年金制度には依存せずに生活せざるを得ない時代がくると思っています。学生時代から、将来は2人の労働者が1人の年金受給者を支える時代が来ると刷り込まれてきたこともあり、年金支給開始年齢の引上げや支給額の減額が起こり、年金に頼っていては豊かな老後を過ごすことは出来ないのだろう、と漠然とした不安を感じています。

――老後にどれだけの資産が必要と考えていますか?

老後の生活は現在よりも長期化すると思いますし、1億円くらいは必要なのかもしれないと高めに見積もっています。

――確定拠出年金で、老後はどう変わると思っていますでしょうか?

マーケットに左右されるものなので、確定拠出年金を受け取る際にどう変わったかを実感できると思います。銀行定期で置いておくよりも確定拠出年金のおかげでより多くの老後資金が準備できて助かった、と思えるといいなと思います。

――ご自身のポートフォリオについて(運用方針)教えてください。

現在は、外国株50%(うち外国株に幅広く投資するファンド30%、米国株単体ファンド20%)、外国債30%、日本株20%です。

まだ若いため、様々なマーケットサイクルを吸収し、マーケット大暴落があればそれをチャンスに転換できる余力があると思っていることと、将来的な日本の競争力低迷(日本の魅力の低下)を反映して、海外資産を80%にしています。

――投資先、投資商品選びの基準はいかがでしょう。

海外資産に多くアロケーションしているものの、小型株や新興国には投資せず、先進国に投資を行うようにしています。商品選びの基準としては、パフォーマンスが良くて、コストの低いものを選ぶようにしています。

――確定拠出年金加入以来の運用成績を教えてください。

2015/4/1時点の運用利回りは21.66%でした。

――どのくらいの頻度で資産の入れ替えを行っていますか?

マーケットに大きな変化が起こる、もしくは、自身にとっての基本的な資産配分(外株50%、外債30%、日株20%)から大きく乖離すれば、入れ替えを行おうと思っていますが、年に何回の入替を行う、といったルールは設けていません。

――どのくらいの頻度でDCの資産状況をチェックしているのでしょうか?

大きな変化があればすぐにでもチェックしますが、基本的には年に1度のレターで確認する程度で十分だと思っています。

――お忙しい中、ありがとうございました。