【レポート】

ホンダジェット日本上陸! 航空参入の意味「カルチャーを変える」- 写真83枚

 

本田技研工業(以下、ホンダ)の航空機事業子会社であるホンダ エアクラフト カンパニー(以下、HACI)は4月23日、日本では4月25日から始まる小型ビジネスジェット「HondaJet(以下、ホンダジェット)」のワールドツアーに先駆けて、羽田空港でプレス向けに日本初のホンダジェット披露・記者会見を実施した。

日本で初めて披露されたホンダジェット

クラス最大となる高度・省エネ・広さ

23日に実施された記者会見の前、ホンダジェットからHACI社長 藤野道格氏が登場した。同日に発売となった新開発ターボを搭載した新型「ステップワゴン」に乗り込み、会場前にて降車して入場。記者会見には藤野社長とともに、ホンダ代表取締役社長執行役員 伊東孝紳氏、同取締役専務執行役員 山本芳春氏が出席した。

ホンダ エアクラフト カンパニー社長 藤野道格氏は、ホンダジェットから新型「ステップワゴン」に乗り込んで会場入り

記者会見では伊東社長が、「三次元のモビリティである航空機業界への参入は、創業者本田宗一郎の夢であり、ホンダはその夢の実現に向けて、ジェットエンジンと機体の両方を開発するという、いまだかつてないチャレンジを長きにわたって続けてきました」とコメントしたように、本田宗一郎氏が航空機開発への意向を示したのが昭和37年(1962)である。その後、昭和61年(1986)より航空機の研究に着手し、1997年には本格的に開発がスタートした。

ホンダジェットの前で、左から、本田技研工業取締役専務執行役員 山本芳春氏、同代表取締役社長執行役員 伊東孝紳氏、藤野社長

2011年には最高速度425ノット(778km/h、クラス最高速)、最高運用高度43,000ftを達成(クラス最高高度)、量産工場完成、失速試験の実施、降着装置落下試験の実施、パイロットシート衝突試験の実施、2012年には終局荷重試験完了、主翼着氷試験の実施、高温環境試験の実施、量産最終組み立ての開始、2013年には寒冷地環境試験の実施、エンジンインレット着氷試験の実施、水吸込み試験の実施、極低温試験の実施、型式検査承認(TIA)取得、カスタマーサービスセンターFAR Part145に認定された。

2014年には量産1号機初飛行・初披露、顧客試乗会の実施、2015年にはフライトシミュレーターの設置、連邦航空局(FAA)の事前型式証明(PTC)を取得、そして今回のワールドツアーとなり、スイスのジュネーブで開催されるビジネス航空ショー「EBACE」に出展する。

ホンダジェットのあゆみ

今回のワールドツアーは総計4万8,000kmを超えるツアールートとなり、HondaJetは13カ国以上を訪れる予定。このワールドツアーにより、ホンダジェットは日本および欧州にて初めて公開される。日本では4月25日に仙台空港(抽選で540人)を皮切りに、4月26日に神戸空港(抽選で900人)、4月29日(抽選で400人)、5月2、3日に岡山の岡南飛行場(抽選で3,000人)、5月4、5日に成田国際空港(抽選で1,600人)で、デモンストレーション飛行や地上展示などを実施する。

フェラガモのハイヒールから着想

本田宗一郎氏が夢見たホンダの新時代を切り開くホンダジェットの性能については、藤野社長が紹介した。藤野社長は同機の最も優れた点として、GE Honda製新世代ターボファンエンジン「HF120」をまず挙げた。小型軽量ながら2,095lbという高い推力を発生するHF120はファンに特長があり、ホンダ独自のCFD(流体解析プログラム)とFOD解析技術を用いた最適化設計により、高推力と安全性を両立させた。また、高精度な燃焼解析技術で形状や冷却性能を最適化した燃焼器は、HF120の小型化・軽量化に大きく貢献しているという。

GE Honda製新世代ターボファンエンジン「HF120」

このエンジンを通常の小型ビジネスジェットのように胴体ではなく、主翼上面に配置することにより、キャビンと荷物室の空間を最大限確保し、同時にエンジンからキャビンに伝達される騒音と振動を小さくさせる。

空気抵抗の大幅な低減を目指し、主翼と胴体ノーズ部には物体周りのスムーズな空気の流れを最大化させるNLF(自然層流)技術を採用。なお、藤野社長が最初にコンセプトスケッチを描いた際、ノーズ部はフェラガモのハイヒールから着想を得たという。燃費に関しても約1,100km飛行時の消費量は165galで、同級他機に比べると-12~-17%程度となっている。

ノーズ部はフェラガモのハイヒールから着想を得た

また、多くの航空機では構造材料として主にアルミニウム合金が使われるのに対し、同機では複合材(炭素繊維強化プラスチック)が胴体で使われている。この胴体は強度と軽量化を追求できるスティフンドパネル様式と形状保持を追求できるサンドイッチパネル様式の構造からなりたっている。

内装に関してはシングルパイロットにとって視認性・安全性に優れたデザインを採用。2台のタッチスクリーンコントローラーにはアイコンが用いられ、飛行機の直感的な操作を可能にしている。キャビンは4人がゆったりと座れるクラブ配置シートとなっており、同級他機では183cmのスペースのところ、同機では218cmにすることで足元には36cmのゆとり空間が生まれる。なお、同機の標準仕様は6人(最大仕様7人)となっている。

キャビンの広さは218cmとクラス最大となる快適スペース

速度・高度・燃費もクラス最高レベル

最新の安全基準を満たしたことが強み

「カルチャーを変えることができれば、ホンダが参入した意味があるのでは」(藤野社長)

ビジネスジェットのマーケットではボンバルディアやセスナなどが先行している中で、ホンダジェットが業界に与えるインパクトに関して、藤野社長は「最高の安全性・信頼性」を挙げた。

「20年前、30年前の安全基準はもちろんその時代の最高基準ではあるのですが、年々、安全へのレギュレーションは厳しくなっています。最新の安全基準によって設計・認定されたホンダジェットは、性能はもちろんですが、安全に関しても非常に厳しい基準をパスしているということで、新たな市場に入っていく上でお客様からの信頼性はあるんじゃないかと思っています」(藤野社長)。

次のモデルに関して藤野社長は明言を避けたものの、希望としては航空機開発を事業としてやっていきたいという意向を示した上で、「車でアメリカのカルチャーを変えていったように、(航空機開発に関しても)カルチャーを変えることができれば、ホンダが参入した意味があるのではないでしょうか」とコメントしている。

羽田空港着陸

お披露目会

複合材製胴体

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