5月から開始されるSIMロック解除の義務化に向けて、NTTドコモとauが相次いでSIMロック解除に関するルールを公表した。総務省が強力に推進するSIMロック解除だが、改めてそのメリットと問題点について考えてみよう。

購入後半年の期間が必要

昨日発表された新ルールでは、auもNTTドコモも、SIMロック解除には購入から半年(180日)経過してからSIMロックを解除できることになった。5月1日に購入したとすると、SIMロック解除が可能になるのは10月29日からになる。

auの場合、これまでSIMロック解除に応じてこなかったが、4月23日発売の「Galaxy S6」以降に発売される機種が対象となる。一方、これまでドコモは購入直後でもAndroidスマートフォンなどのSIMロック解除に応じてきたが、今後販売される端末では(次期iPhoneも含めて)半年ルールが適用されることになる。ちなみにドコモでも4月23日からGalaxy S6を発売するが、こちらは現行モデルと同じく、即日SIMロック解除が受けられる。

Galaxy S6シリーズは奇しくもキャリア間でのSIMロック解除への対応の違いを象徴付ける存在になってしまった

SIMロック解除を受けるにあたり、ドコモではドコモから端末を購入した契約者本人であることを証明する必要がある。つまり、中古端末(いわゆる白ロム)を購入してきてSIMロック解除を受けるのはできないということだ。一方、auではauから販売された端末であれば、中古を含めて窓口で対応する。

整理すると、auはこれまで非対応だったSIMロック解除を、Galaxy S6以降、中古端末を含めて発売後半年以上経過したところで対応する。ドコモは5月1日以前に販売されていたAndroid端末は随時、5月1日以降発売の端末は半年後から、購入した本人のみが解除申し込み可能となる。

SIMロックにかかる手数料は両社とも税別3,000円。ショップ店頭申し込みや電話による申し込みに加え、今後SIMロック解除用のウェブサイトを用意するという。ウェブサイト経由の場合、手数料は無料になるのも共通だ。

ソフトバンクは本校執筆時点でSIMロック解除に関する情報を明らかにしていないが、筆者としては先行する二社と同等か、もう少し厳しい条件をつけてくるのではないかと睨んでいる。