アドビ システムズは、一般公開講座として、「初心者向けLINEクリエイターズスタンプセミナー ヒットスタンプ制作者に学ぶ、「手描き」でできるスタンプ作成講座」を開催した。

2014年5月に開設された「LINE Creators Market」。以降、プロ・アマチュアを問わず、誰もがLINE用スタンプを作成し、販売できるようになった。今回行われたセミナーでは、初心者向けにLINEスタンプの作成講座から、スタンプ販売で成功する秘訣などが解説された。

LINEスタンプ企画チームの渡辺尚誠氏による講演「LINE Creators Marketの最新状況」

スタンプ作りの基本ルール

セミナーでは最初に、LINEスタンプ企画チームの渡辺尚誠氏による「LINE Creators Marketの最新状況」と題した講演が行われた。LINEでのスタンプ制作・販売のフローは、まずは「LINE Creators Market」へのクリエイター登録から始まり、制作したスタンプをテキスト情報と画像とともにアップして申請を行う。そして、販売開始に至るまでには、審査を通る必要がある。渡辺氏によると、審査でNGとなるのは主に次の5つだ。

1.日常会話で使用しにくいもの(例:物体、景色など)
2.イラストではないもの(例:写真)
3.視認性が悪いもの(例:横長の画像や8頭身キャラクターなど)
4.スタンプ全体のバランスを著しく欠いているもの(例:淡色ばかりのもの、単なる数字の羅列など)
5.公序良俗に反するもの、未成年者の飲酒喫煙を想起するもの、性的表現、暴力的表現、ナショナリズムを煽るもの

さらに、以上を踏まえた上で推奨するスタンプとしては「日常会話やコミュニケーションで使いやすいもの」「表情、メッセージ、イラストがわかりやすくシンプルなもの」の2点を挙げた。

半数程度が"シロウト"を占める作り手の割合

一方、LINEが独自に行った調査結果によると、現在、LINEでスタンプを販売している人のうち54.8%が芸術・デザイン系の学校での勉強や、プロとしての活動などを行った経験がないアマチュアだという。また、スタンプを制作するツールとして、74.6%が「イラスト・ペイント用ソフト」、36.5%が「写真・画像編集ソフト」と答えているが、3番目に多いのが「手書き」で全体の34.7%にも及び、必ずしもCGのスキルや学術的な素養を必要とするものではなく、センスやアイデア次第でクリエイターとして活躍できる実態が明らかにされた。

LINEスタンプの出品で最低限注意しなければならないのは、"画像の余白"と"背景の透過"

しかしながら、渡辺氏がテクニカルな面で重要ポイントとして挙げたのは、「画像の余白」と「背景の透過」。「このふたつの要件が最低限満たされていなければスタンプとして登録することができない」と注意を促した。