【レポート】

来年から始まる"ジュニアNISA"って知ってますか? 詳しい内容を聞いてみた!

"NISA(ニーサ)"という言葉は、もうすっかりおなじみですよね。NISAとは昨年1月にスタートした「少額投資非課税制度」のことで、金融機関にNISA専用の口座を開設すると、そこで購入した株や投資信託などから得られる利益に税金がかからないという仕組みです。 NISA口座で購入できるのは1年間に100万円まで。口座を作ることができるのは20歳以上の人で、すでに800万人以上がNISA口座を開設しています。

これに加えて、20歳未満の人が利用できる"ジュニアNISA"が作られることになりました。スタートするのは来年の4月ですが、少し先取りして"ジュニアNISA"の仕組みや、大人用のNISAとどこが違うのかなどを、日興アセットマネジメントNISAセンター長の汐見拓哉さんにうかがいました。

"ジュニアNISA"創設の目的は?

NISAは、特に若い世代の人たちの長期的な資産作りをバックアップするために作られました。また、NISAを通じた資金流入で、株式市場が活性化することも期待されています。ジュニアNISAは、それをさらに推し進めるために導入されます。

ジュニアNISAには、もう一つ大きな目的があります。「日本では金融資産の多くを高齢者が保有しています。それを、贈与という形で若い人たちに移転させることです」と汐見さんは話します。

祖父や祖母が孫にお金を生前贈与して、孫がそれをジュニアNISAで運用すれば、そのお金はいずれ消費に回ります。また、NISAで運用した資金が大学の進学費用などに充てられれば、その分、親世代は教育費の負担が減って家計にゆとりが生まれ、それが消費につながることも期待できます。消費が活発になれば、日本の景気はよくなります。

おじいちゃん、おばあちゃんにとっても、贈与して子や孫に喜ばれればうれしいし、場合によっては相続税の節税にもつながります。

このように、祖父母、親、子(孫)のいずれの世代にとってもメリットがあり、日本経済にとってもプラスになるのが"生前贈与+ジュニアNISA"というわけです。

ジュニアNISAの仕組みとは?

では、ジュニアNISAの仕組みを見てみましょう。

ジュニアNISAと大人NISAに共通しているのは、

  • 専用の口座を開設してそこで購入した金融商品から得られる利益が非課税になる

  • 対象となる主な金融商品は、上場株式、株式投資信託、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)

  • 非課税期間は5年間

  • 金融商品を購入できるのは2023年まで

  • 非課税期間の5年が終わったときNISA口座にある株や投資信託は、NISA口座の翌年の非課税枠に移すことができる(ロールオーバー)

という点です。

一方、異なるのは、

  • NISA口座で1年間に購入できる金額の上限 / 大人:100万円(2016年からは120万円)、ジュニア:80万円

  • NISA口座からの資金の引き出し / 大人:いつでもできる、ジュニア:18歳になるまでできない

という点です。

ジュニアNISAは18歳まで資金を引き出せないため、大人NISAにない仕組みがあります。それが「非課税管理勘定」と「継続管理勘定」です。その関係を汐見さんに図にしていただきました (図1)。

(図1)

例えば、3歳の子が2016年に「未成年者口座」(ジュニアNISA口座)を開設して金融商品を購入するとします。「非課税管理勘定」で5年間保有し、6年目にロールオーバーしても、13歳以降は新規の買付ができません。そこで、保有していた金融商品は「継続管理勘定」に移されます。継続管理勘定にある金融商品は、20歳まで非課税で保有できます。

20歳になったとき「未成年者口座」で保有している株や投資信託は、大人NISAに移すことが可能です(図2)。

(図2)

購入した金融商品はいつでも売却可能ですが、売却代金は「課税未成年者口座」に入ります。未成年者口座にある株から得られる配当も同様です。「課税未成年者口座」にあるお金も18歳になるまで引き出すことはできませんが、「非課税管理勘定」で新たに株や投資信託を購入するために使うことは可能です。

ジュニアNISAを活用するためには、親に運用の知識が必要

このようにジュニアNISAは大人NISAに比べて仕組みがやや複雑です。汐見さんは「NISAの非課税期間が無期限になるか、NISAの制度が恒久化されれば、こうした複雑さは解消されるでしょう」と話します。できるだけ早く無期限化あるいは恒久化されることを期待したいところです。

ジュニアNISA口座は、名義は子どもですが、そこでどんな金融商品を買ってどう運用するかを実際に考えるのは親になるでしょう。したがって、ジュニアNISAを活用するためには、親に運用の知識が必要です。といっても難しく考えることはありません。

NISAもジュニアNISAも損失が生じると非課税のメリットが活かせないので、なるべく安定した値動きの投資信託、例えば、日本と世界の株や債券に幅広く分散投資するバランス型ファンドなどを購入することが考えられます。

あるいは、TOPIXや日経平均株価などに連動するインデックスファンドもよいかもしれません。値動きがわかりやすく、運用などにかかるコストが低いので長期の運用に適しているからです。

いずれの場合も、毎月積立で買っていくと値動きに左右されなくてすみます。積立金額は金融機関によって、1万円から、あるいは5000円から、1000円からなどで、少額でコツコツ資産作りをすることができます。

また、子どもに身近なものに関連する株を買って、その株価を親子でチェックしながら、なぜ上がったのか、下がったのかを子どもに考えさせるのもよいかもしれません。例えば、テーマパークの運営会社や、おもちゃ、ゲーム、お菓子などのメーカーが考えられます。

ジュニアNISAがスタートすれば、年齢にかかわらず誰でも非課税メリットを活かした資産作りができるようになります。NISAとジュニアNISAを活用し、それをきっかけに親子で、あるいは、おじいちゃん、おばあちゃんも一緒に三世代で、運用について学んだり、話し合ったりするのもよいですね。家族のコミュニケーションもよりいっそう深まるでしょう。

執筆者プロフィール : 馬養 雅子(まがい まさこ)

ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、一級ファイナンシャルプランニング技能士。金融商品や資産運用などに関する記事を新聞・雑誌等に多数執筆しているほか、マネーに関する講演や個人向けコンサルティングを行っている。「図解 初めての人の株入門」(西東社)、「キチンとわかる外国為替と外貨取引」(TAC出版)、「明日が心配になったら読むお金の話」(中経出版)など著書多数。ホームページのURLは以下の通り。

http://www.m-magai.net/
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