説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「VoLTE開始でiPhoneの音声通話は変わる?」という質問に答えます。

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VoLTEの導入で、iPhoneの音声通話はよい方向に変化します。しかし、2015年4月現在、VoLTE対応のiPhoneは6/6 Plusのみ、通話相手もVoLTE対応端末でなくてはならず、そのうえ異なるキャリア間での通話には使えない(従来品質での通話)という事情がありますから、多くの人がメリットを実感できるようになるのはしばらく先でしょう。 とはいえ、VoLTE対応端末間の通話品質は格段に向上します。従来(回線交換方式)の通話品質と比較すると、音域が広がり、相手の声もふだん間近で聞くときに近い自然な印象となります。端末の制約があるため相手は限定されますが、"音がよくなる"ことは確かです。追加料金が発生しないことも、メリットといえるでしょう。

ダイヤル開始後に呼び出し音が鳴るまでの時間が短くなることも、VoLTE導入による変化のひとつです。ダイヤル開始直後の「プップップッ」が短くなり、すぐに「プルルル」という呼び出し音が鳴り始めます。ただし、呼び出し時間が短縮されるのは発着信ともVoLTE対応端末であること(ドコモ/ソフトバンクの場合。auは片方のみがVoLTE対応でも可)が前提となります。

現在のところ、iPhone向けにはサービスが提供されていませんが、将来的には多人数同時通話がサポートされる可能性もあります。たとえば、auはVoLTE対応Android端末向けに提供している「ボイスパーティー」は、相手先のキャリアを問わず(固定電話も可)、発信者を含め30人まで同時通話が可能になります。人数に応じた通話料が発生するところは要注意ですが、音声もデータ通信として扱うVoLTEだからこそ実現できるサービスといえます。

ところで、音声通話がVoLTEで行われているかどうかを知らせる目印は、特に用意されていません。画面左上のピクト表示が「4G」となる程度で、通話品質が従来レベルかVoLTEレベルかは、耳で確かめるしかありません。

相手次第で高音質通話が可能になる「VoLTE」は、確実にiPhoneの音声通話を変えますが、広く浸透するには時間がかかりそうです