米PC Pitstopが開発するクラウド型PCチューニング・セキュリティ統合化ソフト「PC Matic」は、英誌「Virus Bulletin」で未知マルウェアの検出率で最高点をたたき出すなど、セキュリティ製品としても十分な性能を備えている。

このたび、同社マーケティングディレクターのライル・シュクニック氏、テクニカルディレクターのロバート・ウッドワース氏に、日本における広告戦略とPC Maticの特徴について話を聞く機会を得たので紹介しよう。

米PC Pitstop マーケティングディレクターのライル・シュクニック氏(右)、テクニカルディレクターのロバート・ウッドワース氏

米PC Pitstopは、もともとオンラインのPC診断サービスを提供しており、順次機能を拡張し、2005年にPC最適化ソフトを発売。その後、2009年にセキュリティ機能を追加し、2010年にPC最適化のオールインワンソフトとしてPC Maticの提供を開始した。PCユーザーすべてをターゲットにした製品で、「どんな人にでも使ってもらえる」とシュクニック氏はアピールする。

PC Maticの特徴をひとことで言うと「パソコン(PC)の最適化」だ。PCの状態を診断し、必要に応じて設定の変更や修正を加えてPCを快適な状態に保つことができる。セキュリティ機能のベースとなるは「Super Shield」。一般的なウイルス対策ソフトは、定義ファイルを使ってウイルスを検出するブラックリスト方式だが、Super Shieldはホワイトリスト方式を使う点が大きな特徴だという。

PC Maticに搭載された最適化機能

PC Maticのセキュリティエンジン「Super Shield」の動作。ホワイトリストに加えてブラックリスト方式も併用する

ホワイトリスト方式は、基本的にアプリケーションの実行をブロックし、リストに入っているもののみの実行を許可。さらに、ファイルのハッシュ値や開発元署名の有無でもチェックすることで、マルウェアの実行を阻止することができる。このほか、サンドボックスをつかったヒューリスティックスキャンも用意する。

PC Maticでは、特定の製品のファイルをホワイトリストに設定して除外するのではなく、基本的にすべてをブロックして、ホワイトリストにあるファイルのみを実行する。この一連の動作により、「未知のマルウェアの脅威にも高いセキュリティを確保できる」とウッドワース氏は語る。

事実PC Maticは、ウイルス対策ソフトの検証をしている英Virus Bulletin誌で「未知のウイルス検知率」で1位を獲得。ウッドワース氏も定義ファイルで検出できない攻撃への防御に自信を見せる。

ホワイトリストにないからといってすべてのソフトウェアの実行をブロックするわけではなく、ファイルの自動分析を行い、ヒューリスティックスキャンなども駆使して、不確かな怪しいファイルの実行をブロックする―― という手法を採用することで、実用的でかつ軽快に動作するウイルス対策を実現したという。また、あるファイルがマルウェアかどうか自動で判断できない場合は、同社のスタッフが物理的にそのファイルをチェックするという。

Virus Bulletin誌のテストで最高得点を獲得

なおPC Maticのセキュリティ機能は、ウイルス対策に特化しており、ファイアウォールやWebサイトセキュリティといった機能は搭載していない。これは、コンシューマをターゲットにパフォーマンスを重要視しているためで、必要であればファイアウォール製品との併用もできるとしている。

このほか、ドライバとソフトウェアのアップデート機能も注目だ。同機能は、PC内のドライバや主要なソフトウェアのバージョンをチェックし、最新版があればそれにアップデートしてくれるというもの。ドライバは、ネットワーク、ディスプレイ、無線LAN、プリンタなど。ソフトウェアはFlash PlayerやAdobe Reader、Java、Chrome、Firefox、iTunesなど、著名ソフトウェアの多くをサポートしているという。

主要なドライバや著名ソフトウェアのアップデートに対応

最近は、OSの脆弱性そのものより、ソフトウェアの脆弱性を悪用した攻撃が増えている。特にFlashやJavaといったよく狙われるものがあり、OSに比べて脆弱性のある古いバージョンが放置されやすい。このアップデート機能を備えることで、常に最新のソフトウェアを利用でき、マルウェア自体の攻撃を無効化することができるようになる。自動アップデート機能も備えているという。ウッドワース氏は、「単なるセキュリティ製品ではなく、PCのパフォーマンスや安定性の向上などの性能強化も提供する」と強調。さらに軽快に、簡単に動作することをアピールしている。

PC Maticは、現在Amazon.co.jpなどで購入可能。1年版パッケージが6,280円、永久版パッケージが17,000円。ともに1つのパッケージにつき計5台のPCで利用可能。なお、PCを買い替えた場合でも1年版、永久版、ともにライセンスの乗せ換えが可能。もちろん、合計5台のPCで使用できる。本稿を読んで興味をもった方は、PC MaticのWebサイトなどで詳細を確認いただきたい。