それほど頻繁には起こらないが、iPhone/iPadを再起動したほうがいいことがある。通信速度が著しく低下した、画面をタップしても反応がない、原因はわからないがどこか動作がおかしい……システムを再起動すれば、iOSを構成する多数のプログラム(プロセス)が読み直され、問題が解消されることがあるのだ。

しかし、システムの再起動はなにかと面倒だ。システムの終了と起動をそれぞれ行わなければならないので、少なくとも1分程度は必要だ。それに、再起動後初めてロック解除する場合には、TouchIDが動作しないのでパスコードを入力しなければならない。App StoreやiTunes Storeも、再起動後初回の利用ではパスワードの入力を求められる。

動作がおかしい原因が明らかに「画面の表示」だけの場合、システムを再起動せずに同等の効果を得られることがある。iOSでは、アイコンやステータスバーなどアプリが提供する以外の画面構成要素は「スプリングボード」というプログラムが担っており、それだけを起動し直すことができれば、表示にまつわる諸問題を解決できることがあるのだ。

実は、iPhone 6/6 Plusにはスプリングボードを再起動する処理項目がある。それは「画面表示の拡大」だ。設定値を変えてスプリングボードを起動し直すことでアイコンや文字を拡大表示しているのだが、それを逆手にとれば、システムを再起動することなくスプリングボードだけを再起動するという実を得ることができる。10秒もあれば完了するうえ再起動後初回のパスコード入力も不要なので、動作の不具合が画面の表示だけのときはこちらを試してみよう。

操作手順をカンタン解説

1 システム再起動は時間がかかるだけでなく、パスワードの入力が必要な場面がいくつか出てくるため、手間がかかってしまう

2 動作の問題が画面の表示だけの場合には、『設定』→「画面表示と明るさ」→「表示」の順にタップしてみよう

3 画面表示の拡大を行うと、スプリングボード(ホーム画面の表示を司るプログラム)だけが再起動されるため、ホーム画面周りの不具合をシステム再起動なしに解消できることがある

(提供:iPad iPhone Wire)