ロジクールは25日、都内にて「ロジクール MX MASTER ワイヤレス マウス MX2000」のプレス向け発表会を行なった。今回お披露目されたのは、4月2日に発売されるハイエンドマウス「MX MASTER MX2000」。また、歴代のマウスや製作時に作られた模型が展示された。

「MX MASTER」はフラグシップモデルにあたる。既存モデル「M950t」の後継機であり、2009年の「M950」の発表から6年ぶりのモデルチェンジとなった。また、2006年に発表された「MX Revolution」以来となる「MX」ブランドの製品でもある。

新商品のMX2000を手にする登壇者。左から順にLogitech International プロダクトマネージャーのアルノー・ジャンティ氏、ロジクール クラスターカテゴリーマネージャーの古澤明仁氏、ツクルバ代表取締役CCOの中村真広氏

まず、ロジクール クラスターカテゴリーマネージャーの古澤明仁氏より、製品説明が行なわれた。「大変お待たせしました、という気持ちでいっぱい。メディアや販売店からはずっと『いつ、フラグシップを発売するのか』という声をいただいていた。やっと、自信を持って発売できます」と語った。「今回発売するにあたって、フラグシップモデルに対するユーザーから我々への要求は高いと感じた」と述べた。MX MASTERの「MASTER」を日本語に置き換えれば「匠」。本製品は、四六時中PCに向き合って、設計、デザイン、画像の加工などに携わるようなPCの「匠」に向けて作ったとのこと。今まで以上に快適かつ作業効率を上がるような工夫を凝らして作られたマウスだそうだ。

クラスターカテゴリーマネージャー 古澤明仁氏

プロダクトマネージャー アルノー・ジャンティ氏

続いて、Logitech Internationalのプロダクトマネージャーのアルノー・ペレ・ジャンティ氏から製品開発ついての説明があった。もっとも製品への要求が高いユーザーに対し、いかに応えるかが課題になったそうだ。まずはじめに、ユーザーのニーズを知るために、米国やスイスなどでユーザーにインタビューした。デジタルコンテンツを作成するにあたって、なにが大切かをリサーチした結果、ユーザーは、快適性、正確さ、スピードを求めており、その要求をいかに満たすかが課題だったという。

実際に製品を製作するにあたり、まず、ラフスケッチを行い、コンセプトなどをしっかりと確認した。その後、ハンドクラフトで模型を制作。これは、持った感触、質量、カーブ、指の動かし方などを確認するためのものという。その後、異なる形の模型をいくつか作り、PCを利用するヘビーユーザーに向けてユーザーテストを行なった。ここで、形をしっかり決めた上で、エンジニアリング設計を行なったという。この話から、いかにマウスの形状を重視しているかがわかる。

模型を作っていく過程が紹介された

MX MASTER MX2000。曲線のデザインに加えて、ガラステーブルや光沢のある表面など、普通のマウスでは機能しない場所でも使用できる

そして、再び古澤氏が登場し、製品の特徴や機能を詳しく説明した。このMX MASTERは、Windows、Mac OSなどの数種類のデバイスを使う、PCのヘビーユーザーに向けた製品。大きな特徴のひとつとして、スクロールホイールを回す速度に合わせて自動的にページスクロールのスピードが調整される機能を持つ。通常の速度でスクロールを行なうと、通常通り数行ずつページが送られるが、長い文章やウェブサイトを読むときに、速くホイールを回すと高速でスクロールされる。これが、ホイールを回転する速度によって自動的に切り替わる。

また、最大3台までのBluetoothデバイスとペアリングでき、底面の「Easy-switch」ボタンで使用するデバイスを切り替えることができる。親指部分には、「サムホイール」が設置され、水平スクロールや複雑なジェスチャ操作にも対応している。

このほか、各ボタンやホイールに機能を割り当て、自分好みにカスタマイズができる独自のユーティリティ「Logicool Options」は、前バージョンと比べて使用性が改善したという。

サムホイールと「進む」「戻る」ボタン

ペアリングした最大3台のデバイスを切り替えられる「Easy-switch」ボタン

底面には使用するデバイスを切り替えるスイッチが付いている。最大3デバイスをペアリングできる

親指部分のボタンとスクロールを組み合わせて機能を割り当てられる

電源は充電式になっており、フル充電で最大40日間バッテリが持つ。電池残量がなくなっても、1分間の充電で約2時間使えるという。ワイヤレス接続の方法は、付属のUnifyingレシーバー(USB)か、Bluetooth Smartの2種類。ガラステーブルや光沢のある表面など、通常マウスが機能しない表面においても使用できる。

最大3台のデバイスをペアリングできる

電池残量が無いときでも、1分間の充電で2時間使用できる

手前側がプロダクトマネージャー アルノー・ジャンティ氏、奥側がツクルバ代表取締役CCO 中村真広氏

トークセッションでは、空間デザインを行っているツクルバ代表取締役CCO クリエイティブディレクターの中村真広氏が2週間MX MASTERを使った感想を述べ、「見た目は重厚感があり、重いのかなと思ったが、使ってみると動作もスムーズだった」と話した。また、自身のMacBookで使用している様子をデモし、「使い込むうちに、マウスを自分に馴染ませていく感覚」があったと述べた。

MX MASTERの製作時に使われた模型なども展示された

会場には歴代のマウスが展示された

MX 700

MX 1000

MX Revolution

m950t

MX MASTER