【レポート】

LCCの価値観を変えるターミナル! 成田空港第3ターミナルの全貌--写真41枚

 

延床面積6万6,000平方メートル、旅客取扱能力年間750万人、LCC(低コスト航空会社)専用としては国内最大規模となるターミナルが4月8日、成田国際空港に誕生する。3月25日に行われたメディア内覧会では、いい意味での"LCCらしさ"をデザインやサービスの中に実感させられた。そんな第3旅客ターミナルビル(以下、第3ターミナル)の全貌を丸ごと紹介しよう。

ダクトがむき出しの天井やブルーとレッドのラインも快適さを追求した結果だ

実はバスが一番快適でお得なわけ

まず、この第3ターミナルのオープン時には、バニラエア、春秋航空日本、ジェットスター・ジャパン、ジェットスター航空、チェジュ航空の5社が入居する。成田から国内線12都市(札幌、関空、広島、高山、松山、福岡、大分、佐賀、熊本、鹿児島、奄美大島、那覇)・国際線7都市(台北、高雄、香港、ソウル、ケアンズ、ゴールドコースト、メルボルン)を結び、初年度の年間旅客数は約550万人を見込んでいる。

春秋航空日本は2014年8月に就航

ジェットスター・ジャパンは2008年12月に、バニラエアは2013年12月に就航

場所は第2ターミナルの北側で、第2ターミナルからは徒歩約15分。鉄道や自家用車で訪れる場合、第2ターミナルからのアクセスとなるが、第1・2ターミナル間を循環する無料シャトルバスに加え、第2・3ターミナル間と第1・2・3ターミナル間を循環する無料シャトルバスが新設される。それぞれのバスは5~20分間隔で運行し、特に第2・3ターミナル間は4時30分~23時に運行することで、早朝深夜のフライトにも対応できるようになっている。

一方、高速バスやタクシーを利用する場合、第3ターミナル専用に設けられた乗降場からとなるので、ペデストリアンデッキを通って徒歩2~6分で第3ターミナルにたどり着ける。特にバスは、東京駅方面と成田を片道900円~1,000円といった格安運賃で結ぶ京成バスの「東京シャトル」と平和交通の「THEアクセス成田」の本数が早朝深夜も含めて充実しているため、安くて便利な方法としてバスを選ぶメリットは高いと言える。

時間帯も本数も充実した"格安バス"は第3ターミナルへもアクセスしやすい

レッドとブルーのラインが誘導

第3ターミナルは3階建ての本館と2階建てのサテライト(国内線ゲートエリア)からなり、その間を4階部分のブリッジで結ぶ構造。LCCの主要機材であるA320やB737クラスの航空機で、国際線5スポットと国内線4スポット分を確保している。

ブリッジから本館の国際線ゲートエリアを望む

第3ターミナルに近づくとすぐに目に付くのがブルーとレッドのラインだ。これは、陸上トラックなどで用いられているゴム製の床で、ブルーが出発、レッドが到着の導線となっている。また、天井をあえてむき出しにすることで高さを出し、案内サインを壁や柱に直接表示したり梁(はり)にターポリン(布地)を設置することで広々した空間を作り出している。

レッドとブルーのラインは第2ターミナルにもつながっている

さらに、従来ではガラスを使うような部分を金網にしているのも、空調を増設することなく快適さを保つ工夫だという。"経済的"であることが"快適さ"に結びついた設計と言えるだろう。加えて、案内サインもアイコンを機能的に用いることで、デザインとして見ても味がある。

国内・国際選共有の出発バスゲートもガラスではなく金網を使用

ちなみに、第3ターミナルにはボーディングブリッジを設置していない。そのため、ゲートから航空機の下までエプロン(地上)を歩いて搭乗することになるのだが、その歩く距離を短くし、国内主要空港では初となるエプロンルーフを導入する。全9スポットに設置されたエプロンルーフは、悪天候時に雨風をしのぐとともに搭乗時の警備スタッフを削減することができるため、各航空会社のコストカットにもつながる。

航空機とゲートの距離は短く、間にはエプロンルーフもつながる

また、航空機を上空から眺められるブリッジも興味深い。高さ約15mのブリッジは風が吹き抜ける半屋外空間になっており、空調がなくでも夏も涼しくなるように配慮している。途中3カ所は展望ガラスになっているため、ここからの撮影も可能だ。なお、将来的にはサテライトの北側にもスポットを整備することを構想しており、ブリッジはA320やB737が通過できる高さに設定している。

本館から見たブリッジ。この下を航空機が通過することも可能となっている

約450席を24時間開放

早朝深夜のフライトがあるほか、ラウンジを設けていないLCCに配慮し、フードコートエリアもLCCに寄り添ったサービスを提供している。現在、フードコート内には国内空港では最大規模の約450席を設置し、4時から21時まで(カフェは22時まで)営業する7店舗を用意。店舗は、宮武讃岐うどん(うどん)、リンガーハット(ちゃんぽん)、フレッシュネスバーガー(ハンバーガー)、洋丼屋ONE BOWL(洋食)、ぼてぢゅう屋台(鉄板焼)、TATSU SUSHI(寿司)、カフェベネ(カフェ)と、気軽に食べられるメニューを展開する。

24時間利用できる休憩スペース。奥に広がるのがフードコートエリア

目の前で1カンから握ってくれる「TATSU SUSHI」

「ぼてぢゅう屋台」

「洋丼屋ONE BOWL」

「フレッシュネスバーガー」

「リンガーハット」

「宮武讃岐うどん」

「カフェベネ」ではケーキやアイスなどのスイーツも用意

休憩スペースは24時間利用可能。「無印良品」のアドバイザリーボードを務めるプロダクトデザイナー・深澤直人氏が監修したムク材のテーブルやイス、ソファを設置するなど、快適性にもこだわっている。加えて、空港内には24時間営業のローソン(コンビニエンスストア)もあるので、フードコートが開いていない時間でも安心だ。

ローソンの隣には、Fa-So-La BOOKS(書籍・雑誌)やHIPSHOP(ファッション・雑貨)、GRAN SAC'S(旅行用品)、Fa-So-La DRUGSTORE(薬)、東京食賓館(お土産)、などもある。加えて、約680平方メートルと成田空港内では最大面積となる総合免税店も設ける。化粧品や香水、タバコなどのほか、食品や電化製品、民芸品など日本を感じる品々もとりそろえる。免税店エリアにもカフェベネ(カフェ)が出店する。

「ローソン」

「Fa-So-La BOOKS」

「HIPSHOP」

「GRAN SAC'S」

「Fa-So-La DRUGSTORE」

「東京食賓館」

航空会社オリジナルショップも

また、第3ターミナル内には、バニラエアや春秋航空日本、ジェットスター・ジャパンが運営するショップも展開される。バニラエアはフードコートそばにショップ「V store」を設け、いままで機内でしか購入できなかったオリジナルグッズなども用意。また、国内線待合室近くにはグッズや飲食品を全て自動販売機から購入できるショップを展開する。

フードコート側のバニラエア「V store」

春秋航空日本もフードコート側と国内・国際線共有の出発バスゲートラウンジ内に、それぞれ「春」「秋」を設置する。春では就航地域の隠れた名産品をそろえ、秋では飲食品やお土産、家電商品なども用意する。ジョットスター・ジャパンは国内線待合室近くにショップを構え、このショップのために新制服デザインを一般募集した。オリジナルグッズのほか、お土産や飲食品を提供する。

フードコート側の春秋航空日本「春」

ジョットスター・ジャパンのショップは国内線待合室内

なお、第3ターミナル供用開始に合わせて、国内線の利用者も旅客サービス施設使用料が必要になる。第3ターミナルは国内線が大人380円(小人190円)、国際線が大人1,020円(小人510円)。第1・第2ターミナルの国内線が大人440円(小人220円)となる。

成田空港におけるLCCのシェア(発着回数ベース)は旅客便全体で、2012年度実績6.9%に対し、2014年冬ダイヤ開始時(2014年10月26日)では21.5%にまで増加している。「気軽に」「機能的」「わくわく」の3つをコンセプトにつくられた第3ターミナルでは、きっといままで価格の安さだけをLCCの魅力にしていた人にとっても、もっと快適で、もっと別の楽しみ方を発見できる場所になるだろう。

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