着せ替え可能な軽オープンカーのダイハツ「コペン」。その第3のモデルが姿を現し、発売が待たれている。1月の東京オートサロンで初公開されたモックアップが「NAGOYAオートトレンド 2015」にも登場し、注目を集めていた。

NAGOYAオートトレンドに展示されたダイハツ「コペン」第3のモデル

「コペン」第3のモデルは、ガレージ風の小道具をディスプレイしたステージに鎮座していた。触ることはできなかったものの、かなり近くまで寄って見ることができ、ボディ全体が一体成型されたデザインモデルであることがよくわかった。初代「コペン」のイメージといわれるが、そこまで丸くない。むしろ英国のクラシックカーをイメージさせる。

この第3のモデルは、ある意味で画期的な史上初のモデルといえるだろう。着せ替えできることが自慢の「コペン」だが、そのコンセプトは史上初ではない。マツダ「AZ-1」が実際に着せ替え可能な状態で市販されている。しかし、「AZ-1」は着せ替え用のパーツも、着せ替えをした別バージョンのモデルも発売されなかった。

丸目「コペン」登場で「着せ替えを実際に楽しむ」ことが可能に

「コペン」にしても、昨年6月の発売時点では「コペン ローブ」1車種のみで、着せ替え用パーツの発売はなし。昨年11月には第2のモデル「コペン エクスプレイ」を発売したが、やはり着せ替え用パーツの発売はなく、「ローブ」と「エクスプレイ」の間で外装を交換することもできない。要するに、「着せ替え可能な自動車」はすでに発売されているが、「着せ替えを実際に楽しむ」ことはいまだに不可能な状況なのだ。

しかし、「コペン」第3のモデルは「ローブ」と「互換性」がある。「ローブ」を第3のモデルに着せ替えることが可能だし、その逆もできるのだ。「コペン」第3のモデルによって、史上初めて「着せ替えを実際に楽しむ」ことが可能になるのだ。

ちなみに、「ローブ」と「エクスプレイ」に「互換性」がなく、「ローブ」と第3のモデルに「互換性」があるのは、ドア形状の違いからだ。「コペン」は外装パーツを樹脂製とし、脱着可能な構造にしているが、ドアだけはスチール製で脱着もできない。そして、「ローブ」と「エクスプレイ」はドアの形状がまったく違う。一方、第3のモデルはなるほど「ローブ」と同じ形状のドアになっている。

ダイハツ「コペン」第3のモデルは丸目のヘッドランプが特徴

第3のモデルも発売が待ち遠しい。外装パーツの価格はどれくらいか? というのも気になる。たとえば、「ローブ」を第3のモデルに着せ替えるにはいくらかかるのか? NAGOYAオートトレンドの会場で、ダイハツのスタッフを捕まえていろいろ聞いてみたが、とくに目新しい話はなかった。それでも食い下がり、着せ替えについての実際のところを聞いてみた。

「コペン」の着せ替えについては、一昨年の東京モーターショーで女性が音楽に合わせて着せ替えを行うような演出もあり、当初はかなり簡単にできるものと思われていた。その後、「コペン」発売時に、着せ替えはディーラーなどの整備工場で行うもので、ユーザー自身が行うことはできないことが発表されている。今回、その点について聞いてみると、慣れた整備士でも着せ替えには数時間かかるという。

当然、ディーラーに持っていき、待っていればすぐにできるというものではない。工賃も相応の金額が必要になる。「その日の気分で」というように、気軽にポンポンと着せ替えできるものではないようだ。ダイハツとしても、そこまでの手軽さは想定していないという。

ダイハツブースに「コペン」のカスタムモデルがずらりと並ぶ

「コペン」ならこうしたカスタムも気軽に楽しめるだろう

NAGOYAオートトレンドのダイハツブースでは、パーツメーカーなどが開発したパーツを装着した「コペン」が多数展示されていた。着せ替えというのは、こういったカスタムをより手軽に行うためのものと解釈したほうがいいのかもしれない。ダイハツとしても、さまざまなパーツメーカーやカスタムショップからオリジナルの着せ替えパーツが発売されるのは大歓迎とのことだった。