「最高のキッチン」とはどのようなものだろうか。使いやすい、おしゃれ、広い…。皆の願いを詰め込んだ、夢のようなキッチンが登場したという。その名も「理想のキッチン」だ。

このキッチンは、クックパッドとSUMMOが共同で実施した「理想のキッチン調査」をもとに、秀建が設計・施工したリノベーション物件だ。クックパッドユーザー4,774人の声を元に作ったキッチンの使い心地はどうなのか。そして本当に「理想」のキッチンとなっているのか、千葉県浦安市に見に行ってきた。

「理想のキッチン」登場(秀建提供画像)

柱がポイントになるアイランド型キッチン

「理想のキッチン」のターゲットは、忙しい共働きの家族。アンケートの「料理を効率よくすませたい」という声を受け、いかにスムーズに料理ができるかを考えた作りとなっている。

見た目の特徴は彩度を低めに抑えたカラーと木の天板。甘さ控えめの落ち着いた水色とダークブラウンの組み合わせがおしゃれだ。天板には、はっ水コーティングがしてあるので、水がはねてもきちんと拭けば跡は残らない。全長はキッチンカウンターと同じ高さのカウンターを合わせて約3メートル。奥行きも約1メートルと、かなりの広さを誇る。

形式はシンクやコンロが壁から独立しており、リビングからもオープンになっているアイランド型(島型)キッチン。元々はリビングと壁で区切られていた非オープンタイプの独立型であったが、「家族の様子を見ながら調理したい」という声を参考に改装された。

アイランド型キッチン

レイアウト変更で最も大変だったことは、天井から床に伸びる水道管などのパイプスペースの存在であったという。リノベーション前は壁の中を走っていたのだが、アイランド型にするには、シンクやコンロを壁から離して独立させなくてはならない。しかしながら、マンションの場合、共有部であるパイプスペースは動かせない。

そこで同社は、パイプスペースを隠さず、その部分をレンガ調の柱にリノベーション。独立型キッチンをアイランド型に生まれ変わらせた。柱裏は収納スペースとして活用でき、アイランド型のデメリットである「丸見えすぎ!」という問題も解消。適度に目隠しされたキッチンを実現した。

柱の裏にはファンクションウォールを設計し、レシピ本やタブレットを見やすく立たせるためのホルダーを設置。作業台に直置きせずに済むため、スペースを広く使うことができ、水や油もかかりづらい。ファンクションウォールには、お玉や計量カップを引っ掛けておくフックもついている。見せる収納でありながら、リビングからは死角になるという点もありがたい。

ファンクションウォール付き

コンセントを増やして調理家電を使いやすく

続いて参考にしたのは「使用する家電の数に対して、キッチン周りのコンセントが少なく、電源を差し替えなくてはならない」という不満だ。「理想のキッチン」では、コンセントの数がリノベーション前の4カ所(8口)から10カ所(20口)に増加。

柱の周辺にも十分な数のコンセントが用意されているので、調理器具を使いながらタブレット充電などの同時進行が可能に。さらに、ファンクションウォール裏のコンセントにはテレビのアンテナ線の端子も完備。小型壁掛けテレビを取り付けての「ながら調理」も夢ではない。ごちゃつきやすいコード類は壁に隠れるので、出しっぱなしでもスッキリ見せられる。

コンセント不足問題も解消

大人数でも使いやすいシンク

シンクまわりは「作業や歩行のスペースが狭くて作業効率が悪い」という声を元に、L字型を採用。回りこまなくても手前、対面の2方向からシンクを使うことができる。その上、キッチン横のカウンターを動かせば、左側からもシンクにアクセス可能。パーティーなど大人数で料理するシーンでも、混雑を気にすること無く作業が進められる。

L字シンクで使いやすく

もちろん収納も充実

料理の効率を上げる上で欠かせない収納面は、調理家電を置いたまま使えるコンセント付きの棚、シンク下、パントリーでカバー。見せる収納と隠す収納のメリハリで、整然としたキッチンを保つことができる。

パントリーは窓がある珍しいタイプだが、これは元々あったものをリノベーション後もあえて残しておいたため。光が差し込むので観葉植物を飾ったり、バジルやパセリなどのちょっとしたガーデニングも楽しめそう。奥には作り付けのデスクがあるので、パソコンや本を置いて書斎として使うのもオススメだ。

パントリーも十分なスペースあり(秀建提供画像)

他の工夫も見逃せない

他にも、子供用の踏み台を兼ねた収納や、チョークでメモを書けるようになっている黒板風の壁など小さな工夫も満載。可動式カウンターは、バーカウンター風にしたり、パーティーテーブルとしての使用もバッチリである。

ちょっとした工夫が盛りだくさん

クックパッドユーザーの声を元に、使いやすさを徹底的に追求したこのキッチン。「理想」の名も納得のクオリティで、日々の料理も楽しめそう。

秀建によると、このキッチンは間取りなどに合わせてカスタマイズされたオリジナル造作のため、「同じデザインで、サイズは小さめ(大きめ)のものが欲しい」という相談にも乗ってくれるという(「理想のキッチン」のある物件は既に売却済み)。「『こんなに大きなキッチンは無理…』と諦めずに、気軽に相談して欲しい」(同社)とのことなので、興味がある人はお話を聞いてみてはいかがだろう。