3月21日~22日に東京・国際展示場で開催された「AnimeJapan2015」にて、企画展示「Production Works Street」が今年も実施された。

アニメ制作の過程を紹介する展示「Production Works Street」

「Production Works Street」は、アニメーション作品が視聴者に届くまでの流れを、シナリオ、コンテ、デザインなど、実際の制作現場で使われている資料を用いて紹介する企画展示。今年はいよいよ最終回を控える富野由悠季監督のTVアニメ『ガンダム Gのレコンギスタ』をケーススタディとして、作品が完成するまでの各工程が果たす役割を、各パート担当者の作業デスクを再現して視覚的に紹介する構成で展示されていた。

2015年は『ガンダム Gのレコンギスタ』の制作現場を紹介

入口では『ガンダム Gのレコンギスタ』の主人公ベルリ・ゼナムがアニメの制作を進行するような姿でお出迎え

アニメ制作現場の適職を探すフローチャートも

実際の制作現場の流れを詳細に解説したフローチャート

「企画」の説明。各役職をモビルスーツが演じるコミックによる紹介も

「脚本」の説明

企画打ち合わせ中のホワイトボード(イメージ)

企画書、シナリオ、絵コンテをプリントアウトしたものを手にとって読むことも可能

「絵コンテ」の説明

さまざまな資料が置かれた「絵コンテ」作業デスク

絵コンテのデスクには、総監督・富野由悠季氏に対するアンケートも展示。アニメの仕事を目指す人に対して「アニメが好きなだけでしたらこの仕事につくことをおすすめしません」「広くいろいろなテーマを自覚的に学んでほしいです。アニメや映画を学ぶことはしない方がいいでしょう」と"富野節"アドバイスも。

「キャラクターデザイン」の説明

「キャラクターデザイン」の作業デスク

卓上には『ガンダム Gのレコンギスタ』主要キャラクターのラフデザイン

キャラクターデザインのデスクには、『ガンダム Gのレコンギスタ』キャラクターデザイン、作画チーフの吉田健一氏のアンケート。影響を受けたものとして「安彦良和さんの第1原画」「イデオン(全部)」「宮﨑駿さんのレイアウト」「金田伊功さんの原画が載ったアニメージュの表紙(コスモタイガー)」を挙げていた。

「背景」の説明

「背景」の作業デスク。PCが入ると雰囲気が変わる

美術ボードは液晶で展示

卓上の美術設定

「原画」の説明

「原画」のデスク

「動画」の説明

「動画」のデスク

実際の動画のサンプル

「CG」の説明

「CG」のデスク

「仕上げ」の説明

「仕上げ」でキャラクターを彩色する過程を動画で実演

「撮影」の説明

「撮影」の作業でエフェクトを加える前と後の比較動画を上映

そして、今回の展示で最も注目されていたのが、セルデータや背景データ、特殊効果などそれぞれのセクションで作業した素材を、タイムシートに沿ってひとつの絵に落としこんでいく「撮影」の工程。エフェクト処理を加える事で映像がどのように変化するかの比較動画が注目を集めていた。

原画の展示1

原画の展示2

「編集」の説明

「音響」の説明

「ビデオ編集」の説明

完成映像と商品展開の紹介

外壁には「アニメのお仕事についてのQ&A」

展示外壁の求人案内は実在企業からのガチの求人が

展示外壁にも原画がびっしり展示されていた

「Production Works Street」の外壁には、「アニメのお仕事についてのQ&A」と題したQ&Aや、実際のアニメーション関連企業からの求人張り紙もあり、これから業界を目指す人に向けた展示企画であることを感じさせた。

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