大好きな彼との、ずっと夢見ていた結婚。けれども、いざ結婚が決まったとたん不安でいっぱいになることも珍しくありません。一般にそれを、マリッジブルーと呼びます。どうして結婚したかったはずなのに悩み、幸せなはずなのにマリッジブルーが起こるのでしょうか。

マリッジブルーの原因は、ズバリ○○

マリッジブルーの原因は、環境の変化です。結婚は、その人の人生を大きく変えます。名字が変わり、好きな彼との共同生活が始まり、住む所が変わります。結婚相手の両親や兄妹も自分の家族になります。それらが不安やストレスとなり、マリッジブルーになるんです。

そして不安が不安を呼びます。本当に、この相手と結婚していいのだろうか。もっと自分にふさわしい、自分を幸せにしてくれる相手がいるんじゃないだろうか。結婚したら自由が無くなって自分らしくいられないんじゃないだろうか。いろんなことを考えてしまいます。そして、この結婚は失敗するかもしれないと感じ、結婚を取りやめようという風に考えてしまうこともしばしばです。マリッジブルーは、男性も女性もなる可能性があります。

しっかりした人ほど陥りやすい、人生の節目だからこその不安

ある意味においては、大学進学や就職・転職にともなう不安と一緒かもしれませんね。本当にこの大学でよかったのだろうか、もっと自分にあう就職先があったんじゃないだろうかと。「今夜、なに食べる? 」という選択であれば、たとえ今夜失敗しても、明日の夜に挽回することができます。

ですが、進学・就職・結婚というのは、人生のターニングポイント。だからこそ、もし失敗したらという不安で悩んでしまうわけです。特に、完璧主義の人や、責任感の強い人ほど悩んでしまう傾向にあるかもしれません。つまり、そういう人ほどマリッジブルーに陥りやすいんです。

解決方法は不安を共有すること

マリッジブルーの解決は、悩みの種をなくすこと。つまり、結婚相手とよく話し合うことが大切なんです。もちろん、マリッジブルーの問題が相手にあるといっているわけではありません。ですが、マリッジブルーは、決してひとりの問題ではないんです。相手だって表に出さないだけで、同じように悩んでいるかもしれません。自分が抱えている不安を、結婚相手と共有し、その悩みの解決を一緒に考える。それが大事なんです。

そして、たしかに日本の場合、離婚や結婚を繰り返すことに対して社会的に良いイメージはないかもしれません。ですが、結婚してみて初めて分かることが多いのも事実。失敗したらどうしようと思うのではなく、結婚相手が自分の理想の相手じゃなかったら離婚すればいいだけの話だしと、気軽に考えることも必要ではないでしょうか。

人生は一度きりです。ですが、その人生のなかで行なう選択に、一度きりということは決してないんです。

※写真と本文は関係ありません

著者プロフィール

平松隆円
化粧心理学者 / 大学教員
1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。