【レポート】

米Intel、Broadwellベースのサーバ向けSoC「Xeon D」シリーズを発表

1 Xeonブランド初のSoC

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米Intelは3月9日(米国時間)、BroadwellコアをベースとしたSoC「Intel Xeon Dプロセッサ」2製品を発表した。Xeonブランドとして初となるXeon Dプロセッサの内部構造やパフォーマンスについて詳細を紹介したいと思う。

Photo01:発表を1ページにまとめた結果。「Atom C2000シリーズと比較して3.4倍の性能」は何をどう計るかで変わってくる。詳細は最後のベンチマークの項を参照

Broadwellコアながら、Atom Cシリーズの後継製品

さて、今回発表されたXeon D-1500ファミリは、Xeonブランドながらポジションとしては、高密度マイクロサーバやストレージ、ネットワーク機器向けに向けた「Intel Atom C2000」シリーズの後継となる。

また、Xeonブランドとして初のSoC製品である。従来のXeonはあくまでもプロセッサのみで、IO Hubに関しては外付けのチップセットを利用してきたのに対し、Xeon Dはこれを完全にSoC化したのが大きな特徴である(Photo02)。

Photo02:加えていえば、Broadwell世代では最初にDDR4への対応を果たした製品でもある

同じくSoCとして提供されてきたAtom C2000シリーズと比較し、より高度な機能やネットワーク帯域、メモリ容量を実現できる(Photo03)としており、この結果としてAtom C2000シリーズよりもやや負荷の高い用途に利用できるようになったとする(Photo04)。

Photo03:Atom C2000シリーズはGbE×4で4Gbps、Xeon D1500シリーズは10GbE×2で20Gbpsということで帯域が5倍となっている。またメモリ容量はDDR4だと32GB DIMM×4構成が可能という話で、DDR3Lの場合16GB DIMM×4の64GBが最大容量となる

Photo04:Atom C2000はどこを狙っていたかに関する間接的な回答はこちら。概ね重複するが、Dynamic Web ServingとかSecurity Appliancesは新たに付け加わったと思ってよいかと思う

Xeon D-1500ファミリは、すでに50以上のDesing Winを獲得しているそうで、Atom C2xxxシリーズと同様にIntelから製品が出るのではなく、これを搭載したサーバがOEMベンダから提供されることになる。

またここには記載されていないが、価格は

  • Xeon D-1520(4core、定格2.2GHz):199米ドル
  • Xeon D-1540(8core、定格2.0GHz):581米ドル

とされ、どちらも2015年3月から量産を開始する予定である。

ちなみに、Intelに対して「Atom C2000の後継ならなぜAirmont(Silvermontコアの14nm世代版)ではなくBroadwellを採用したのか?」と質問を投げてはみたものの、現時点では回答が来ていない。

ただ大ざっぱには推察できるので簡単に記しておけば、Silvermont→Airmontでは恐らく性能面での改善がほとんどないためと思われる。もっと正確に書けば「性能/消費電力比は改善しているが、絶対性能では大差がない」と思われるからだ。

そもそもAirmontは基本、Silvermontを14nmに微細化したもので、若干の性能改善などは施されているとは思うが、基本動作周波数が同じなら性能も同等と予想できる。AirmontはSmartphone/TabletやIoTデバイス向けのコアとなるから、TDPが数Wの範囲であればSilvermontよりも動作周波数の引き上げが可能と思われるし、同じ動作周波数ならばSilvermontよりも省電力化が実現できているだろう。

ところがAtom C2000の場合、4コア製品でTDPは9~14W、8コア製品で12~20Wと、Mobile DeviceよりもややTDPが多めのものとなる。この範囲で14nm化してどこまで動作周波数を上げられるかといったら、それほど上がらなかったのではないか? という気がする。

これはPCテクノロジートレンド 2015 Updateでもちょっと書いた話だが、いまのIntelの14nm(P1272)は、あまり動作周波数が上げられないでいる。

Broadwellの場合は2.1GHz近辺が一番おいしいあたりで、2.5GHzになるとTDPがガンと増えるのは書いた通りだ。Atomの場合は多少状況は変わると思うが、だからといって3GHzを超えても楽に動くとはちょっと考えにくい。つまり14nm(P1272)では、動作周波数をそうそう上げられないということになる。

であれば、IPCを引き上げることで性能を改善するのが得策で、今回の場合はAirmontの代わりにBroadwellを使うのが楽である。幸いなことにプロセスの微細化により、CPUのエリアサイズは大幅に縮小される(プロセスルールに比例するとすれば面積は40%ほどに縮まる計算だが、FinFETだとそこまで単純には縮まらないから、おおむね半減といったところか)。

ラフに言えば、22nmのSilvermont1コアの面積と14nmのBroadwell1コアの面積にはそう差がなくなると思われるので、ダイサイズの観点からすればBroadwellを使ってもそうコストが跳ね上がるわけではない。

もしAirmontを使った場合は、恐らく動作周波数は変えずにコアの数を倍増(16コア)させるといった形の実装になった(というか、いまでも水面下で開発が続いている可能性もある)と思うが、こうした実装はやはり使いどころがまだ限られてくるので、Broadwellの採用そのものはまぁ間違ってはいない。

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インデックス

目次
(1) Xeonブランド初のSoC
(2) 内部構造 その1 - Broadwellコアの詳細についても公開
(3) 内部構造 その2 - BroadwellではTSXが有効に?
(4) パフォーマンス - 従来製品や競合製品との比較を紹介
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