「北海道はでっかいどー」。そんな言葉を体現したデカ盛りグルメを北海道で発見! その"でっかいどーグルメ"とは「ザンギ」である。ザンギとは北海道名物の鶏の唐揚げのこと。そのザンギをデカくかつ大盛りで出してくれる店が札幌にある。店の名は「中国料理 布袋」。札幌市民が愛してやまない布袋のザンギは本当にでっかいどーなのだ!

このデカさ、桁違いである!

ザンギ7個盛りのA定に歓喜

札幌市内の地下鉄東西線「西11丁目駅」から徒歩約5分、ちょっと年季が入った黄色い看板が見えたら、そこが布袋である。年季の入りようにも、長年に渡りおいしい料理を出していることを想像させてくれる。店に入ると、まだ12時前だというのに客がいっぱい。テーブル席、カウンター席とある店内は、食べ盛りの大学生風の男子からストールを羽織ったOLらしき人まで幅が広い。

年季が入った「中国料理 布袋」の看板。長年愛されてきた店なんだろうなっというのが伝わる

筆者が愛してやまないのはここの通称"A定"だ。A定とは「ザンギA定食」のこと。ザンギが7個、ご飯、お味噌汁、サラダ、お漬け物が付いて税込880円である。麻婆豆腐がついた「ザンギB定食」や人気の「麻婆麺」も捨てがたいが、布袋に来たらザンギを7個食べないと午後から落ち着かない。そんな魅力がA定にはあるのだ。

「えっ!? 唐揚げ7個のった定食なんて、うちの近所にもあるよー」って!? いや待ってくれ! それとは違う!! ここの7個は"ただの7個"では断じてないのだ。

「おーーー!!」別のテーブルで歓喜があがった。筆者は知っている。それはA定を迎え入れた声だ、と。おそらく、その人は布袋のザンギ初体験なのだろう。筆者もそうだった。初めて布袋のザンギを目の前にした時には同じように声を上げてしまったものだ。

サクサクの衣の内側に秘められた肉汁

厨房から茶色の山が徐々に近づいてくる。「お待たせしました。ザンギA定食です」。白い皿の上に、まるでテトリスのように隙間なく積まれたザンギが運ばれてきた。大きめなザンギなどは、ひとつ8cmはありそうだ。その7個のザンギと対峙(たいじ)して、中でも一番大きいザンギを箸で持ち上げてみた。「ズン!」。お、重い!ずっしりとザンギのGが箸から伝わってくる。

これが「ザンギA定食」税込880円。ご飯も山盛りだ(中心にあるのがネギ醤油ダレ)

まずは何も付けずにそのままいただく。厚めの衣をまとったザンギを口まで運ぶと、かんだ瞬間、サクっと軽快な衣サウンドが響く。衣と鶏肉の結合部分はモチっとした食感。その内側から湧き出てくる熱い肉汁が口内に広がる。ショウガがほんのり効いた醤油ダレに鶏肉が漬け込まれているので、何もかけずそのままでもご飯がすすむ。

プレーンなザンギを楽しんだ後は、テーブルに配備された少し酸味のあるネギ醤油ダレを少々。このタレでザンギを食べるスピードが一気に加速する。タレをつけるとザンギの食感が失われてしまいそうなものだが、不思議なことにタレにつけても衣のサクサク感は全く衰えない!

その食感には秘密がある。それはザンギを揚げるフライヤー。3槽に別れたフライヤーは温度別で分かれていて、そこで3度揚げすることで、時間がたっても変わることのない食感を生んでいるのだ。

札幌新スポットにも出店中

「ひとりでは老舗感漂うお店に行きにくい! 」という女子もいるかもしれない。そんな女子に朗報。札幌駅前に2014年8月に誕生した商業ビル「赤れんがテラス」にも布袋が出店している。オシャレなフードコートで布袋のザンギが食べられるので、"お一人様女子"も安心だ。

食べる前にはあまりの大きさと量に「食べきれるだろうか? 」と少し不安になるかもしれないが、意外とぺろりと食べられるのが布袋のザンギ。もし、残った場合でもお持ち帰りができるので、迷わずA定を食べてみてほしい。布袋のザンギで感じる「北海道はでっかどー」。一度行くと、あなたも布袋ラバーになること間違いなし!

●information
中国料理 布袋
北海道札幌市中央区南1条西9丁目

※記事中の情報・価格は2015年2月取材のもの