「絵文字にも平等と多様性を」

絵文字は日本語のコミュニケーションのために用意された経緯から、日本の都市や文化を色濃く反映している。しかしこのことが、国際会議の場で議論を呼ぶことになる。

2014年9月に文字コード国際規格「ISO/iEC10646」について審議する国際会議がスリランカ・コロンボで行われた。ここで討議されたのは、「日本発の絵文字が特定の人種に偏っているのではないか」というものだった。

絵文字には記号的な顔だけでなく、よりリアルな人やカップル、家族が描かれている絵文字について、単一の肌の色しか表現されていないとして問題になった。

カップルなどの絵文字は単一の肌色で表現されている

白人偏重との指摘もある。日本で長年絵文字を使って来たユーザーからすると、日本発の絵文字が、Appleによって広められ、「白人に偏っている」という指摘をされる複雑さもある。もともと絵文字は、塗りつぶしのない「文字」に近いものだったからだ。