多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、「Android Beamには2種類あるって、どういうこと?」という質問に答えます。

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Android OSには、複数のファイル転送手段があります。Wi-FiにBluetooth、赤外線(IrDA)はすでに多くの端末にサポートされ、いろいろな場面で活用されています。

Android 4.0で追加された「Android Beam」は、近距離無線通信規格「NFC」を利用したデータ転送機能です。画像や動画といったファイルやWEBページなどのコンテンツを、同じくNFC対応のAndroid端末同士を接近させるだけでやり取りすることが可能です。

Android Beam最大のメリットは、いちど機能を有効にしておけば設定不要な点にあります。通信はNFCにより開始されるため、ファイル/コンテンツの送信側端末と受信側端末にあるNFCマークを向かい合わせにするだけで、自動的にデータ転送が開始されます。送信先の端末を選択したり、事前にペアリングを行ったり、受信を許可したりといった操作は必要ありません。

ただし、Android Beam対応をうたうすべての端末で利用できるわけではありません。Android 4.0とAndroid 4.1以降では仕様が異なるため互換性がなく、事実上似て非なる2種類のAndroid Beamが存在するのです。Android 4.0の端末同士、Android 4.1以降の端末同士でなければ、Android Beamは利用できません。

なお、Android 4.0のときのAndroid BeamはNFCのみでデータ転送を行っていたため、通信速度は100~400kbps程度がせいぜいで、1枚の写真を転送するのに1分近くかかることもありました。しかしAndroid 4.1以降ではBTSSP(Bluetooth Secure Simple Pairing Using NFC)という技術を採用、NFCで通信を開始したあとはBluetoothに切り替えてコンテンツを送信する方式に改めています。通信速度は最大24Mbpsにスピードアップし、いちど通信が始まれば端末を離しても支障なくなるなど、使いやすさも向上しています。

NFCマークを向かい合わせにするだけで使える「Android Beam」ですが、Android 4.0と4.1とでは互換性がありません

(記事提供: AndroWire編集部)