ヤマハのユニファイドコミュニケーションマイクスピーカーシステム「YVC-1000」は、大きな会場でも隅々まで声を届けられる音量と、微妙な発音やニュアンスも再現する音質が特徴だ。また、そうした高性能を持ちながら、誰でもすぐに利用できる設定の簡単さも現場では高く評価されている。

今回はこのメリットを利用し、新たなプログラムを実現した企業事例を紹介しよう。

英語学習での微妙な発音も再現

市進教育グループは、小学受験から大学受験までに対応した学習塾経営で知られている。首都圏を中心に「市進学院」、「市進予備校」、「個太郎塾」、「茨進」「桐杏学園」というブランドで教室を展開しており、2014年8月時点での生徒数は4万1,097人にも及ぶ。

市進では、従来の教室内での授業とは全く異なる、小学生、中学生、高校生が志賀高原のホテル(2015年度は苗場にて実施予定)で英語の短期留学をする学習企画「English Camp」での利用に向け、「YVC-1000」を導入した。

ナビゲートする外国人講師

「English Camp」は、6つのホテルに参加者が3泊4日で集まり、さまざまな形で英語学習に取り組む。その中の1つのプログラムが「Native Navigate」だ。

これは、講師が教室で生徒に英語を教えるという従来のスタイルではなく、生徒が遠隔地の外国人講師から英語で指示を与えられ、目的地までナビゲートされるというものだ。

会場は3つに分かれており、1会場あたり30~40人の生徒が着席。その中から3名ずつが会話役として選出される。会話役になった生徒はiPadを通じて外国人講師と会話を行い、数カ所のチェックポイントを通過しながら会場にたどり着けるようにナビゲートする仕組みだ。会話役と講師の会話はスピーカーによって、会場内の参加者全員にも伝えられる。

会場内に設置された「YVC-1000」

このプログラムで必要とされたのは、生徒と講師が双方向でスマーズに会話ができるシステムと、外国人講師のネイティブな発音などをきちんと聞き取れる高音質なスピーカーシステムだ。そこで採用されたのが、映像・音声品質に優れた遠隔授業システム「VQSコラボ」と「YVC-1000」という組み合わせだ。

「YVC-1000はiPadとのBluetoothによる接続も可能で、音響調整を自動的に最適化してくれるので複数会場での移設作業もスムーズでした。またYVC-1000の臨場感あふれる豊かな音質・音量は、ネイティブ英語の微妙な発音や講師の細かな表情を安定して再現することにも役立ちました。新しい英語教育の手法として取り組んだNative Navigateは、大きな成功をおさめたと考えています」と語るのは、市進企画部小学部担当室責任者である伊勢屋寛氏だ。

参加した生徒の94%が楽しかったと答えるなど、好結果にもつながっている。今後は「VQSコラボ」や「YVC-1000」を活用した全く新しい教育サービスの開発を検討中だという。