長野県安曇野市のVAIO本社では、VAIO Zの生産が本格化している。そして、その生産ラインは、VAIOならではのこだわりが満載だ。

本稿では同社初のオリジナルモデルとなるVAIO Zの生産ラインを通じて、VAIOの生産へのこだわりを追ってみた。前編では安曇野工場全体の雰囲気をお伝えしたが、後編では写真を通じて、出荷までの様子を詳細に見てみよう。

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その1・基板実装ライン

基板実装エリアの入口。入室はカードで管理されている

基板実装エリアにはエアシャワーを浴びてから入室。VAIO Zのプログラムマネージャーの笠井貴光氏(右)と、広報の朝倉美和氏(左)がモデルに

VAIOの実装ラインの特徴は、キャリアと呼ばれるプレートに基板を組み込んで生産する点

基板実装時に使うキャリアそのものにはコストがかかるが、品質を優先するVAIOのこだわりのひとつ

実装ラインに投入されるキャリア

まずは基板に2次元バーコードを印字

基板の中央部。「ル」の文字の上にあるのが印刷された2次元バーコード。これにより、搭載された部品などが1台ごとに管理される

はんだ印刷機で、クリームはんだを塗布

自動検査機で塗布されたはんだの量や高さなどを検査

左がはんだが塗布された状態。オレンジの部分が少なくなっているのがわかる

続いて高速マウンターで部品を実装。4台の高速マウンターが連結している。約40秒で約300点の部品を実装する

VAIO Zでは、0603と呼ばれる0.3mmの大きさの部品が使用される。米粒よりもはるかに小さい

こちらは大型部品や異形部品を実装するマウンター

マウンターに部品を供給するカセットは1カ所に置かれて準備をする

ここですべての部品が実装されているかを確認。リフロー炉に入る前に検査するのが特徴

リフロー炉。ここではんだを溶かして実装する。リフロー炉内部は8つのゾーンにわかれ、このうち5つのゾーンで温度を徐々にあげ、最後の3つのゾーンではんだが溶ける温度にまで高める

続いて基板裏面の部品取り付けに入る。ここではCPUの実装も行われる。写真はVAIO Zに搭載されるCore i7。裏面の基板実装では酸化を防ぐために窒素リフロー炉も利用している

完成したVAIO Zの基板