先日、東京ディズニーランドで公開プロポーズした人の話が、ツイッターを中心に話題になっていました。よく海外でも、男性が女性にプロポーズする様子がYouTubeなどで公開されています。なぜ、男性たちは大勢の人のいる前でプロポーズしたがるのでしょうか。

公開プロポーズの背景には自己顕示欲

もちろん、すべての男性が公開プロポーズをしたいわけではないでしょう。むしろ全体からいえば、少数派であることは間違いありません。ただ、これも文化的な背景もあって、フィリピンでは、女性の家の前で歌を歌ってプロポーズをしたりします。日本に限っていえば、プロポーズはふたりの特別な出来事として、秘められていることが普通ですよね。芸能人たちでも、プロポーズに関してはマスコミに語るということは少ないのではないでしょうか。にもかかわらず、公開プロポーズする男性がちらほら日本でも見かけはじめているのは、アメリカのフラッシュモブの影響でしょうか。

さて、公開プロポーズの背景には、やはり自己顕示欲というのがあるでしょう。自己顕示欲というのは、自分の存在を多くの人にアピールしたいという欲求です。たとえば、いつも自分が注目されていないと嫌な人、SNSなどのネットを使ったアピールに積極的な人があてはまるかと思います。そして、こういう人は自分中心なので、空気が読めなかったり、相手の気持ちを察することができなかったりするんです。

公開プロポーズの場合、大勢の人のいる前でプロポーズするワケですから、注目が集まります。そして、その様子が第三者を通じて、画像や動画として拡散されるわけです。さらに、公衆の面前でプロポーズすることによって、人の通行を妨げるのではないか、なにか迷惑になるのではないか。大勢の前で告白して、彼女を辱めることにならないかということは考えず、自分は告白したいんだという気持ちだけが強くなり、それを行動に移してしまう。まさに、自己顕示的行動が、公開プロポーズだといえるでしょう。

断りづらくする戦略的側面も

ただ、これには男性のプロポーズに対する戦略的側面も見え隠れしている気がします。当然、男性としてはプロポーズを失敗したくありません。ですので、公開プロポーズのもつサプライズ性、大勢がみている前だからこそ相手の女性に断りづらくさせてしまおうという強制性を利用して、プロポーズを試みているのではないでしょうか。

いろいろな調査で、男性が簡単に結婚を踏み切れないということがいわれています。そのようななか、プロポーズを決心したというのはすごいことだと思うのです。であるならば、ふたりの一生のいい思い出になるように、相手の気持ちを考えたプロポーズをしてほしいです。公開プロポーズは女性にとって、うれしい以上に困惑するものだと思いますよ。

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著者プロフィール

平松隆円
化粧心理学者 / 大学教員
1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。