KDDIは2月26日、au携帯電話と対象の固定通信サービスをセットにして割引く「auスマートバリュー」の割引額を3月1日より改定することを発表した。同社の新料金プラン「カケホとデジラ」で月間10GB以上のデータ定額サービスに契約した場合、携帯電話1回線あたりの割引額が最大2年間2,000円(税抜)に拡大される。

携帯電話と固定通信サービスのセット割としては、NTTドコモが「ドコモ光パック」、ソフトバンクが「スマート値引き」として、NTT東西が卸売りする光回線サービスを採用するセット割を3月1日より提供予定だ。これにより主要3キャリアがすべて携帯・固定のセット割を取り扱うことになるが、どのキャリアのセット割が最もお得なのかが気になるところだろう。

そこで本稿では、最新の割引額を踏まえて、改めて3社のセット割を比較してみたので紹介していこう。

月間10GB・13GBプランの割引額が税抜2,000円に拡大

今回発表されたauスマートバリューの割引額の改定では、auの新料金プラン「カケホとデジラ」における大容量のデータ定額サービスを契約し、固定通信サービスとのセット割を利用した場合の割引額が拡大された。具体的には、月間10GB・13GBプランの月々の割引額は、これまで最大2年間1,410円だったが、これが最大2年間2,000円に増額されている(以下、金額は原則として税抜)。

auスマートバリューの料金改定を踏まえて、個人で契約した場合の各社セット割を比較すると、データ定額サービスの容量ごとの割引額は以下のようになる。

主要3キャリアの携帯・固定セット割の割引額の比較 ※拡大画像はこちら

KDDIのauスマートバリューでは、月間2GB・3GBプランが毎月934円割引、月間5GB・8GBプランが毎月1,410円割引、月間10GB・13GBプランが毎月2,000円割引となり、割引額が最も多くなっている(5GBプランの割引額はソフトバンクと同額)。

なお、ソフトバンクはWebサイトなどで、スマート値引きについて「毎月最大2,000円割引」と記載しているが、同社では割引額を税込表示にしていることに留意しておきたい。スマート値引きでは、月間10GB以上のプランの場合、毎月2,000円(税込)の割引となっているが、税抜で計算すると毎月1,852円の割引だ。そのため、10GBプランでは、税抜で毎月2,000円割引のKDDIのほうが、消費税分だけ割引額が多くなっている。

家族でセット割を利用した場合の割引総額を比較

次に、家族でセット割を利用した場合の割引額を比較してみよう。なお、家族利用における各社セット割のポイントをおさらいしておくと、ドコモは、スマートフォンのデータ量を家族で分け合うシェアパックを利用可能だが、固定回線ごとの割引となるため、家族の人数が増えても割引額は変わらない。一方、KDDIとソフトバンクは、1人ひとりの割引となるため、人数が増えるごとに割引総額も多くなる。

家族で利用した場合の各社セット割を比較(ドコモはシェアパックを利用。KDDIとソフトバンクは、家族全体のデータ量が各容量になるようにプランを選択) ※拡大画像はこちら

家族全体のデータ量が月間10GB・15GB・20GB・30GBになるようにプランを選択した場合の割引総額を比較してみたが、KDDIのauスマートバリューでは、いずれの容量・人数の組み合わせでも割引総額が最大となっている。また、1人あたり5GBとなる組み合わせの場合、KDDIとソフトバンクが同額となった。

一方、ドコモのドコモ光パックは、固定回線ごとの割引額のため、1人ひとりが割引されるKDDI、ソフトバンクのセット割と比べると、家族利用ではお得感が見劣りする結果となっている。

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今回発表されたauスマートバリューの割引額の改定では、月間10・13GBプランの割引額が拡大され、大容量プランの選択がお得になった。本稿で見てきた通り、最新の割引額で3社のセット割を比較すると、1人ひとりの料金が割引され、なおかつ割引額も多いKDDIのセット割がもっともお得感があると言えそうだ。