NECパーソナルコンピュータの2015年春モデルに、「フリースタイルPC」を掲げる新ジャンルのPCが登場した。15.6型ワイド液晶が一体となっているが、折りたたんでタブレットスタイルで利用できるのが特徴。さらにバッテリを内蔵し、好きな場所に持ち運びもできる。
"どこでどう使うかは、あなた次第"――そんなこれまでにないスタイルを実現している、新しいPCだ。今回はこの「LaVie Hybrid Frista」試用機をレビューする。
■主な仕様 [製品名] LaVie Hybrid Frista HF750/AAB [CPU] Intel Core i7-5500U(2.40GHz) [メモリ] 8GB [ストレージ] 1TB SATA HDD [グラフィックス] Intel HD Graphics 5500(CPU内蔵) [光学ドライブ] BDXL対応ブルーレイディスクドライブ [ディスプレイ] 15.6型ワイド(1,920×1,080ドット) [OS] Windows 8.1 Update 64bit [Office] Office Home & Business Premium プラス Office 365 サービス [店頭価格(税別)] 204,800円前後
L字型の筐体で奥行きわずか160mm
「LaVie Hybrid Frista」(以下、Frista)は、15.6型ワイドのフルHD液晶を搭載した一体型PCだ。といってもデスクトップPCではなく、15.6型というサイズ感からか、どちらかというとノートPCに近い印象である。
NECパーソナルコンピュータが掲げるコンセプト「フリースタイル」(Fristaの由来でもある)は、使いたい場所や目的に合わせて自由に変化させられることを指している。
同社は2015年春モデルの発表会で、Fristaを「PCがあるところに人が行くのではなく、人がいるところにあるPC」と評した。リビングに置くというコンセプトのパソコンはこれまでも存在したが、ここまで自由度の高いパソコンはあまり類がない。
この高い自由度を可能としているのが、本機最大の特徴である、省スペース設計だ。本体部分が液晶のスタンドを兼ねており、フロント部分にはコネクタ類が何もないシンプルなデザイン。キーボードは本体下部に収納されていて、奥行きわずか160mmという省スペースを実現している。
15型クラスのノートPCの奥行きがおよそ300mm弱あることを考えると、圧倒的にコンパクトだ。広いスペースがなくても、たとえば本棚やAVボードなどテーブル以外の場所に置いても邪魔にならない。
キーボードは、本体左側面の奥にあるレバーを引くと取り出せる。キーボードは、マウスと同様にBluetoothで接続。テンキーの付いた103キーボードで、厚みが7mmの極薄タイプだ。
本体へ収納するためフラットな形状で、長年使っても曲がらないよう内部に金属板を入れており、使用感もしっかりしている。ただ、フラットな形状の宿命で、傾斜がまったくなく、タイピングは慣れるまで時間が必要かもしれない。電池はボタン電池(CR2032×2)を利用する。汎用的な電池なので入手しやすいが、交換にはプラスのドライバーが必要になる。
なお、本機前面に備えたスピーカーは、ヤマハと共同開発した「AudioEngine」を利用する1.5W+1.5Wのステレオスピーカーを内蔵。鳴らしてみたところ、低音が弱い印象だった。試用機だからかもしれないが、このため音楽や童画を再生しても軽い印象があり、若干拍子抜けしてしまった。