Twitter社が提供する6秒動画アプリ「Vine」の部門統率者など4名が来日し、記者向けのラウンドテーブルを行った。Vineが6秒しか撮影できない理由とは。

1日の再生回数は15億回にも

Vineは2013年1月に提供を開始した動画アプリ。ニューヨークをベースに活動しており、34名がチームに在籍している。「Fast」と「Easy」「Fun」をキーワードに、わずか6秒という動画で、ユーザーが思い思いの「動画と写真の中間のコンテンツ」(Vineメンバー)を投稿している。

動画は、1:1のアスペクト比というスクエアな形状で撮影・投稿。"ループ"機能も特徴の一つで、ループにフォーカスした動画を撮影するユーザーも少なくないという。ループすることもあって必然的に動画の再生回数は伸びており、1日あたり15億回にものぼる。1カ月あたりのユニークユーザーも1億人を突破しており、主に若年層から支持を集めている。

彼らが来日した目的としては、直近3カ月でユーザー数が約3倍に増加しており、「日本においてどう活用されているか学びたいし、それを糧にプラットフォームに反映させたい」(Vineメンバー)という思いがあったのだという。

1秒の制限も検討したVine

なぜVineは6秒に制限されているのか? Vineの広報・マーケティング担当者Carolyn Penner氏に尋ねた。

「Vineのサービスロンチ前、チーム全員で動画の再生時間を試したんです。それも、たったの1秒から無制限まで。その中で、6秒が最適だとみんなが感じた。6秒という時間は、クリエイティビティを刺激するいい時間。見ている方も『見る時間をとろう』という気持ちになる十分な時間です。でも、6秒という時間は終わった時に寂しくなってしまう。

でも、そこが重要で、だからこそ"ループ"を取り入れました。ループという機能は本当に面白い。理由は2つあって、1つは動画を目で見る時に、映像がくるくると流れ続けるのが楽しい。例えば、ドーナツがくるくる回り続ける動画でも、始まりと終わりがないように、ずっと続くんです。2つ目は"音"。音も同じで、音の流れが最初と最後で繋がった時、それは完璧な動画となります」(Penner氏)

日本では、ツイキャスやMixChannnelなど、若年層に支持されている動画サービスが存在する。こうした競合の動画サービスにも注目しているのだろうか?

「もちろん、目を光らせているよ(笑) 特にMixChannnelはVineと似ていると思う」(Vine Product ManagerのAdam Feldman氏)

「日本のサービスも含めて、Instagramなど、様々な競合サービスについて認識しています。ただ、自分たちで頑張れることをとにかく頑張りたい。競合が何秒の動画サービスを作ったとか、確かに気をそらされがちだけど、本質は自分たちのサービスをもっと良くしなければならない。

Vineは『見る』『作る』『共有』という機能がありますが、『見る』はどのような環境であっても、速く、スムーズに動画を見られるようにしなくてはならないし、『作る』もよりクリエイティビティを高くしなければならない。『共有』は、ユーザーが目的の動画をより早く、簡単に見つけられるようにしなければならない。

よく競合視されるInstagramは、友達のコンテンツ共有を見るプラットフォームだと理解していますが、Vineはエンターテインメントのプラットフォーム。『アプリを開いた時に、どんなコンテンツがあるかわからない』という魅力を楽しんでもらいたいし、今後も伸ばしていきたいです」(Penner氏)

コンテンツを見つけやすくするために、カテゴリ分けやキュレーターを内部に置き、埋もれているクリエイターのコンテンツを見出す取り組みも行っている

(左から)Adam Feldman氏、Vine部門統率者 Jason Toff氏、Vineカルチャー担当 Jason Mante氏、Carolyn Penner氏