神奈川県・パシフィコ横浜で開催の「CP+2015」。カメラ用アクセサリーは毎年、業界の動向で展示の中心が移り変わっている。昨年(2014年)くらいまでは女性を意識した製品が目立っていたが、商品の数が増えたためか、今回はやや落ち着きを見せていた。

代わりに目立っていたのは三脚だ。ここ数年、海外メーカーの新規参入などで動きはあったものの、今年はさらなる新規参入から既存メーカーの新製品など、動きが大きくなっている。具体的には、携帯性を重視したもの、より高機能なもの、新しい機能を持ったものなどだ。かつてはパイプの太さや伸び率、質量などが重視されていたが、「最重要」ではなくりつつある。ユーザーの用途が広がったことや、用途によって三脚を使い分けるユーザーが増えたため、機能を特化した製品が出始めたからだろう。

スリック - 新しいアイデアを取り入れた製品を展示

日本ではおなじみ、老舗三脚メーカーのスリックは、ブランドカラーの青を製品の一部に取り入れたデザインを、これから製品ラインナップに加えていくという。

「レベリングユニット2」は雲台または三脚に取り付けるもので、重心を大きく移動せずにアングルを調整できるもの。大きく動かすことはできないが、三脚に取り付けて微調整に使うには便利そうだ

自由雲台の「PBH-525」と「PBH-425」には、ボールの動きやすさを調整するダイヤルが付いている。使用するカメラの重さに合わせて、動きやすさを変えられる。ロッキングシステムを新たなものに変えて、固定したときにカメラが動いてしまうのを抑えられるようになったという。5月ごろ発売予定

「カーボントラベレック724」は縮長400mmのコンパクトな三脚だ。最近流行の足を上に畳むタイプ。青いレバーで脚の角度を調整できる

三脚の脚に付けて安定させるもの。すべての脚に付け、折りたたむこともできる。このバーを踏んで、倒れないようにすることもできそう。こちらは製品化が未定の参考出品

ベルボン - 縦位置にしてもバランスが悪くなりにくい雲台

老舗のメーカーでありながら、新しい発想を取り入れた三脚の多いベルボン。縦位置と横位置の光軸変化を抑えた雲台が展示されていた。大きなカメラを取り付けたまま、縦位置にしてもバランスが崩れにくい。

カメラの傾きは途中で止めることもできる。雲台下にある2つのレバーは、右がカメラの傾きで、左は雲台を微妙な動きで左右に傾けることができる

マンフロット - トレッキングに便利な三脚と一脚などを展示

プロカメラマンがスタジオで使用するものから、一般の人向けのリーズナブルなものまで幅広いラインナップのマンフロットは、「Off road」という新しいシリーズを展示していた。トレッキングなどに便利な三脚「Off road三脚」と、トレッキングポールとして使える「Off roadウォーキングスティック」だ。ウォーキングスティックは2本セットで、1本は一脚としても使用できる。Off road三脚は650gと軽量。脚先にはスパイクが付いている。

トレッキングに便利なOff roadシリーズ。脚先はラバーキャップが付いた状態。トレッキングでは2本使うと疲れにくいとされている。ウォーキングスティックは2本セットとなり、片方だけにカメラを取り付けできる

軽量コンパクトな三脚「Befree」は黒だけだったが、4種類のカラーバリエーションとカーボンタイプが追加された。コンパクトタイプの流行である脚を上げてたたむ方式を採用し、収納時40cmで耐荷重4kgだ。カーボンタイプはアルミタイプより300g軽い1.1kgである。

新カラーのアルミタイプが4本と、一番右がカーボンタイプ。いずれも脚を上に上げて収納するタイプだ

マンフロットはギヤ付き雲台も有名なのだが、久しぶりに新型が追加された。今度はレバーを引くだけで大きく動かし、ノブを回して微調整する。既存モデルよりもかなり使いやすかった。耐荷重は4kgで、既存(3モデル)のエントリモデルに近い。

ノブとレバーを握ると自由に動き、離すと固定される。あとはノブを回して微調整を行う。物撮りや建物の撮影では便利な雲台だ