神奈川県・パシフィコ横浜で開催のCP+2015、SDアソシエーションのブースでは、加盟企業の製品展示に加えて、比較的新しいUHS-I・UHS-II対応のSDメモリーカードや、SDメモリーカードの通信規格「iSDIO」に関する展示を行っていた。

SDメモリーカードのUHS-I規格は、最大転送速度が104MB/秒という転送能力を持つ。すでにかなりの製品が登場しているが、信号電圧が1.8Vとやや高く、ノイズに弱いという問題があった。

対してUHS-II規格は、LVDS(Low voltage differential signaling)という差動駆動によって、耐ノイズを上げた転送方法だ。現在公開されている最新の仕様では、312MB/秒の転送能力を持つ。昨年(2014年のCP+2014にて、サンディスクがUHS-II対応SDメモリーカードを出展していたが、当時は対応デジタルカメラが富士フイルムの一製品だけにとどまっていた。

今年は複数のメーカーがUHS-II対応SDメモリーカードを発売するにいたり、UHS-II対応デジタルカメラの種類も増えてきた。一部のパソコンでも、内蔵のSDメモリーカードスロットでのUHS-II対応が始まっている。CP+2015のSDアソシエーションブースでは、各社の製品一覧をパネルで紹介していたほか、UHS-IIの転送速度をデモンストレーションしていた。

UHS-I・UHS-II対応の製品一覧をパネル展示。UHS-IIは信号線が増えている関係もあり、まだ製品数が少ない。さらに、UHS-II対応のmicroSDメモリーカードはまだアナウンスされていない

UHSスピードクラス3(U3)の紹介パネル。UHSでは「Ux」という表記によって、「x0MB/秒」の連続データ転送を保証する。U3は「30MB/秒」の連続データ転送を保証するという意味だ

UHS-IIの展示。UHS-IIでは従来と異なる低電圧の差動転送を行っており、ノイズに強く、データ転送能力もアップした(将来は転送能力を倍に高める計画がある)。一方、信号線(ピン数)が増えた関係で、対応機器がまだ少ないのがネック。今年はパナソニックのLet'snoteが対応製品に加わり(UHS-II対応SDメモリーカードスロット搭載)、ライブデモを行っていた

iSDIO規格とは

iSDIO(インテリジェントSDIO)規格は、SDホスト機器からの単純なコマンドによって、SDメモリカード以外の機能(無線LANなど)を利用するために開発された。現在は「Wireless LAN SD」と「TransferJet SD」という2種類が標準化済みだ。iSDIOについては、CP+2015の東芝ブースでより詳細な展示を行っていた。

iSDIO製品となるWireless LAN SD規格の展示。この分野では東芝が積極的に規格制定に関わっているようだ

ブースではミニセミナーも。写真はSDカードの規格に関して説明している東芝の中野一典氏

SDカードの歴史チャート。2000年にメモリーカードとしてスタートしたが、徐々に規格を拡張しているのが分かる。現在はVersion 4.20が最新で、Version 5.0も制定中だ

「日本では登場しないかも」という前置きで紹介されたsmart microSD。セキュリティレイヤーを拡張し、おサイフケータイのような機能を追加できるとのこと