通帳をチェックして当てはまったら要注意!

「通帳を見ると、その人のお金の使い方が分かります」と言うのは、金融機関勤務を経て数多くの通帳を見てきたファイナンシャルプランナーの高橋幸緒里さん。お金が貯まらない人の通帳に多い共通点をあげてもらい、それに対しての「貯めるための対策」を教えてもらった。心あたりのある人はチェックしてみよう!

共通点1: 普通預金に大半のお金が入っている

普通預金にお金の大半が入っているということは、"貯める仕組み"が作れていないということ。また、普通預金に入れておくと引き出しが簡単なので、つい使ってしまう原因にも。

貯蓄の鉄則は先取り貯蓄。「お金が残ったら貯蓄をしよう」などと悠長に構えていては、いつまでたっても貯まらない。まずは、収入から自動的に先取り貯蓄ができる"貯める仕組み"作りを始めよう。それには以下のような方法がある。

1)財形貯蓄・積立貯蓄をする
会社の財形貯蓄を利用したり、普通預金の口座に自動積み立てを設定する。その際のポイントとしては、積立日を給料日、もしくは給料日の翌日にすること。こうしておけば残高不足で積み立てができないということはなく、確実に貯蓄額が増えていく。

2)二口座制を利用する
「財形貯蓄や銀行の自動積み立てだと、いざという時にすぐに引き出せない」。そんな気持ちで二の足を踏んでしまうのなら、給与口座を"二口座制"にするのがオススメ。二口座制とは、給料を受け取っている口座以外の"第二口座"を指定し、そこに給料を分けて振り込んでもらうこと。こうすることで両方とも普通預金口座ながら、メイン口座と貯蓄口座の振り分けができる。制度として導入されている会社も増えているので、会社に問い合わせてみては?

共通点2: 少額の引き出しが多い

「お財布の中身が寂しいから、取りあえず1万円おろしておこう」。こんな引き出し方が多い人は、一度に大きく残高が減らないため、無駄遣いをしている意識があまりないのでは? でも"ちりも積もれば山となる"のことわざ通り、月単位で合計すると思いがけない金額になってしまうことも多い。

そもそも、なぜ少額の引き出しが多いのだろうか? それは支出の管理ができていないからと言えるだろう。自分が何にいくら使うのかを把握できていないので、足りなくなった分をチョコチョコと引き出す必要が出てくる。

まずは、通帳の横に支出理由をメモすることから始めよう。支出把握のためには、家計簿をつけたりレシートを見直したりすることが有効だが、それだとハードルが高いと感じる人もいるだろう。お金をおろす度に、通帳の横に支出理由をメモ書きする程度であれば手軽に始められる。レコーディングダイエットではないが、「支出理由を書かなきゃ! 」という気持ちが、無自覚にお金を引き出すという行動の抑制にもなる。

共通点3: クレジットカードの支払いが高額

クレジットカードでの支払いは実際にその場でお金が動かないので、つい使いすぎてしまう傾向があるそう。クレジットカードの使いすぎを防ぐための方法の一例は以下の通り。

1)クレジットカードの枚数を減らす
カードの整理も兼ねて、あまり使わないカードは解約し、メインカードとサブカードの2枚に集約する。クレジットカードの明細を絞ることで履歴の振り返りが簡単になり、明細の見直しがしやすくなる。

2)限度額を下げる
明細の見直しの習慣がついてきたら、毎月カードで支払うお金の流れも見えてくるはず。お金の流れが見えてきたら、"1カ月に使う自分の上限"も把握できるので、カードの限度額を下げよう。こうすることで物理的に買い物のしすぎを防ぐことができる。

「貯金をするためには、自分のお金の流れを見直すことが必須です」と高橋さんは言う。お金の流れを見直すためのツールとして、通帳は身近な最強のアイテムなのかもしれない。

※本文と写真は関係ありません

プロフィール: 高橋 幸緒里(たかはし さおり)

幼い頃から金融に興味をもち、商学・経営・会計全てが学べる大学に進学。大学3年時にAFP資格を取得し、上位資格のCFPに只今チャレンジ中。現在は金融業に従事し、顧客の資産形成にアドバイスを行っている。終身雇用制度や年功序列賃金が崩れた今こそライフプランの策定や金融知識が必要と考え、各種セミナーを開催中。

筆者プロフィール: 楢戸 ひかる(ならと ひかる)

1969年生まれ 大手商社勤務を経てフリーライターへ。中学生と小学生の男児3人を育てる主婦でもある。生活に役立つ情報を「主婦er」にて更新中。また、長期投資を始めた日々の記録をメルマガ「主婦が始める長期投資」で配信中。メルマガ申込みは「主婦er」より。