今や大人はもちろん、中高生にも広く普及しているスマートフォン。それでは、小学生へのスマートフォンの普及は、どの程度進んでいるのだろうか。

ICT総研は1月30日、小学生のスマートフォン利用実態調査の結果を公表した。同調査によれば、携帯電話・スマートフォンを持っている小学生はおよそ3人に1人で、親が持たせたい子ども向けスマートフォンの首位はKDDI(au)の「miraie」という結果になった。本稿では、同調査結果の詳細を紹介するとともに、"子ども向けスマートフォン"の特徴や今後の展望について考察していきたい。

小学生の携帯電話利用はおよそ3人に1人

ICT総研の今回の調査は、年々拡大する小学生のスマートフォン市場にスポットを当て、利用実態を明らかにするために行われた。調査対象は小学生の子どもを持つ親4,000人で、期間は1月24から26日まで。

まず、子どもに携帯電話やスマートフォンを持たせているかを尋ねたところ、「従来型携帯電話(ガラケー)を利用させている」とした回答者は全体の27.2%、「スマートフォンを利用させている」とした回答者は5.6%で、合計は32.8%。およそ3人に1人が携帯電話を持たせており、そのうち6人に1人がスマートフォンという結果になった。また、携帯電話の利用を開始させた時期を聞いた質問では、小学3年までに利用を開始したとの回答が合計65.1%と全体の3分の2近くを占めた。

小学生の携帯電話利用率

「スマートフォンを持たせている」と回答した親にその理由を聞いたところ、「いざという時に連絡が取れるから」が75.2%とトップ。続いて「GPS機能が防犯に役立つから」が30.2%となった。

また、中学受験予定の小学生に限定した場合、「GPS機能が防犯に役立つから」「学習教材など、教育に活用できるから」「IT機器に慣れさせることができるから」といった回答が特に多く、教育意識の高い親ほど、スマートフォンを持たせている割合が高い傾向が読み取れたという。

小学生の時期からスマートフォンを持たせている理由

また、「子どもにスマートフォンを持たせたくない」とした回答者916人を除く3,084人に対し、現在利用中の携帯電話や契約キャリアに関係なく、小学生の子どもに今後持たせたい"子ども向けスマートフォン"を尋ねてみたところ、auのジュニア向けの「miraie」(ミライエ)が45.4%と一番支持を集める結果となった。理由としては、子ども向けの専用料金プランが用意されていることや、防犯機能が充実していることなどが挙られた。

子どもに持たせたい"子ども向けスマートフォン"は?

親から最も支持を集めた「miraie」の魅力とは?

同調査で、小学生の子どもを持つ親から最も支持を集めたのが、auが1月30日に発売した「miraie」だ。同端末は、auとして初となるジュニア向けAndroidスマートフォンであり、子どもの安全をとことん考えて作られているのが特長だ。

auのジュニア向けAndroidスマートフォン「miraie」

「miraie」では、防犯ブザー機能を備えるほか、もしブザーを鳴動させた場合は位置情報の取得とともに、メイン・サブの両方のカメラで周囲の写真を撮影し、親に自動で送信する。また、メッセージアプリなどで不適切な言葉を入力した時に注意を促す「あんしん文字入力」や、有害サイトをフィルタリングする「有害サイトアクセス制限」など、子どもを守る機能を数多く搭載している。

ディスプレイサイズは約4.5インチと、大きすぎず、子どもでも持ちやすいサイズ感。防水・防塵に加え、MIL準拠の耐衝撃性能を備えており、スマートフォンの扱いが荒くなりがちな子どもでも壊れにくいように配慮されているのも特長のひとつだ。

料金プランとしては、専用の「ジュニアスマートフォンプラン」が用意され、月間0.5GBのデータ定額料金を含んだ月額基本使用料が税別3,620円。ISP料金を含めた合計月額料金が税別3,920円から利用することが可能だ。また、次回の機種変更時に「miraie」の分割支払金の残額が実質無料になる特典も用意されている。

同プランは小学生以下であれば加入できる。子どもの防犯対策をしっかりしつつ、料金を抑えてスマートフォンを持たせ、早いうちからITリテラシーを養わせたいと思う親にとっては最適だと言えるだろう。

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今回、ICT総研が公表した調査結果によると、小学生のうち約3人に1人が携帯電話を利用しており、そのうちスマートフォン利用者は6人に1人ということがわかった。

現時点では、小学生へのスマートフォンの普及はそれほど進んでいないと言えるが、要因としては、ネット利用で子どもがトラブルに遭うことを心配したり、利用料金が高額になることを懸念している親が多いことなどが予想される。しかし、実際に子どもにスマートフォンを持たせている親が、その理由として挙げているように、スマートフォンには防犯対策やITリテラシーを高めるといったプラスの側面もある。

同調査では、親が持たせたい子ども向けスマートフォンとして、auの「miraie」が支持を集めた。子ども向けの専用料金プランが用意されていることや、防犯機能が充実していることに加え、ネット利用のトラブルを回避する文字入力機能などが人気の理由のようだ。今後も「miraie」をはじめとする子ども向けスマートフォンのラインナップが充実していくことで、「スマートフォンを持たせるのは心配」「ガラケーで十分では」といった親の意見も、「子どもにもスマートフォンを持たせたい」といったように変わっていくかもしれない。