公益財団法人日本印刷技術協会(JAGAT)主催の印刷ビジネス関連展示会「page2015」が、2月6日まで開催されている。

「page」は1988年に始まって今年で28回目を迎え、「紙」、「インク」、「プリンター」、「フォント」、「パッケージ」、「制作に関わるソフトウェア」など、印刷に関わる全てのコンテンツが一同に結集する、クリエイティブに携わるひとには垂涎モノのイベントだ。

参加企業は140社、カンフェレンス・セミナーはなんと46セッション。会場内は、ビジネスに役立つカンファレンスやセミナー、ブース内での商談はもちろん、情報交換の場としても活気にあふれている。ここでは特に興味深かったブースをいくつか紹介したい。

デジタル印刷用紙やインキなどのマテリアルの展示はpage2015で初めて企画された。これまでは印刷機本体のみの展示だったが、用紙やインキなどの諸資材を一堂に紹介することで、急速な成長が見込まれるデジタル印刷分野の提案が行われている。なかでも「竹尾」のブースはインクジェットプリンターとレーザープリンター、それぞれで印刷されたさまざま色と質感の紙見本が所狭しと並び、圧巻だ。

担当の方によると「デジタル印刷は今、オフセット印刷に迫る勢いのクオリティを実現しつつあります。昔はレーザープリントというと、テカテカした微妙な仕上がりで特殊紙などの融通が効かなかったイメージがあると思いますが、今は濃い色の紙やザラザラとした質感のある紙などにも対応しました。印刷業界の新しい第一歩ですがまだ知らない方も多いので、ぜひ今までの紙の制約から離れて、クリエイティブの幅をもっと広げていってほしいですね」とのこと。インクジェットプリンターとレーザープリンターでそれぞれ印刷された見本紙を10枚まで持ち帰ることが可能だ。

レーザープリンターでホワイト印刷をかけたパッケージ(上)と、かけていないもの(下)

白やクリアなどの再現が可能になったことで、濃い色の紙に鮮やかに色をのせたり効果を追加するなどの表現が可能になった

近年急激に拡大している通販印刷のブースも多く、これらは一般の印刷会社よりもコストが抑えられるため、個人事業主や小規模な企業にニーズが高い。また、PDFによる自動入稿やデータに不備がないかを確認するプリフライトチェックまでが自動で完了する新しいソフトウェアや、オンライン校正クラウドサービスも目立つ。

印刷通販ではデザイナーに嬉しい色見本なども無料配布(プリントネット)

現在PDFでの入稿は印刷全体の2割程度。これからどんどん増えていくだろうと見込まれている(ソフトウェア・トゥー)

このほか、クリエイティブゾーンとして設けられたエリアも目を惹いた。これは、ソフトウェア・アプリケーションの利用方法がクラウドサービスへと移行し、スマートフォンやタブレット、PCの連携が新たな価値を生むようになり、これらをクリエイティブ・ワークにどのように活かせるのか、具体的に使える方法を提供するコーナーだ。

Adobe Creative Cloud関連では、プラグインやデータベースなどのブースが並んでいたほか、デジタルペン&定規「Adobe Ink & Slide」の展示も

同コーナーでは、Creative Cloudのさまざまな機能を活用するためのセミナーも多数開催される。印刷系のクリエイターの必携ソフトとも言えるInDesignやIllustratorをはじめ、さまざまな切り口からの解説が行われるため、興味のある方は足を運んでみるのもいいだろう。

業界で広く用いられている同社のソフト。それだけに、利便性を高めるためのサービスも多数見られた。Adobe InDesignに完全対応し、Excelからデータを読み込んで自動でレイアウトを完了させる「DBPublisher/i」、全てのページに学年別漢字配当表に対応しながら自動でルビをふる「ルビフィクサー」(リンクス)などのプラグインは、クリエイターの業務の効率化を助けてくれそうだ。

「地図素材.ai」

北海道地図が提供する日本全国の地図データ「地図素材.ai」は、その名の通りai形式のため、Adobe Illustratorで編集が可能。印刷物などに掲載する地図は、これまでは逐一トレースして作るのが一般的だったが、この素材を使うことで作業時間を大幅に削減できる。道路、公共施設、駅など細かくレイヤーに分かれており、文字はテキストオブジェクトのため、必要な情報のみ編集加工も可能だ。

Webの普及により縮小傾向にあるのかと勝手に考えていた印刷業界だが、実際は時代の流れにあわせた新しい製品やサービスが次々に開発され、会場は活気であふれているのが印象的だった。興味がある方はぜひ、自分の目や耳で新しい風を感じ取ってほしい。