【インタビュー】

前田敦子、AKB48卒業後の葛藤と進化「"そこから来ている自分"という先入観あった」

1 「1つをがむしゃらに追いかける」という理想像

 
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1月24日に公開をスタートする映画『さよなら歌舞伎町』でヒロインを演じた前田敦子。同作は新宿・歌舞伎町のラブホテルを舞台に、迷える大人たちの人間模様が交錯する物語で、一流ホテルマンと周囲に偽るラブホテルの店長・徹を染谷将太が、その徹と同棲中の交際相手でミュージシャンを目指す沙耶を前田が演じる。

2012年8月にAKB48を卒業した前田。その後は女優業に専念し、これまで『クロユリ団地』『もらとりあむタマ子』『Seventh Code』『エイトレンジャー2』などの映画に出演するなど、着実にキャリアを積み重ねている。今回のインタビューでは、『さよなら歌舞伎町』の裏話にはじまり、恋愛観、思い出の地、卒業後の変化などの話題を通して、女優・前田敦子の進化の過程を追った。

映画『さよなら歌舞伎町』でヒロインを演じた前田敦子 撮影:大塚素久(SYASYA)

――最初に作品を観た感想は?

もともと、海外作品のラブコメを観ていて群像劇には興味がありました。4日間ぐらいしか撮影に参加できなかったので、どんな出来上がりになるのか想像しながらの現場だったのですが、脚本の中のキャラクターを皆さん個性的に演じていらっしゃったので、自分が出演してこんな客観的に楽しむことができた映画は初めてだったと思います。

――同作は歌舞伎町のラブホテルを舞台に、さまざまなカップルが登場します。前田さんが演じた役以外で、気になったカップルは?

私は、南果歩さんです(※松重豊と時効寸前の逃亡生活を続ける女性)。あのかわいさ(笑)。実際にお会いしても、すごくかわいらしい方なんですけど、暗いものを抱えての前向きなあの役柄は、果歩さんからにじみ出ているものがあるんじゃないかと感じました。

――犯罪者なんですけど、応援したくなっちゃいますよね。

そうそう(笑)。がんばれー!って思いますよね。いちばん、救われる2人なんじゃないかなと。この映画の魅力だと思うんですけど、終盤では登場人物たちの気持ちがスッキリしていって、メルヘンチックな雰囲気になります。ああいう終わり方はいいですよね。

――染谷さん演じる徹は、一流ホテルと偽ってラブホテルで働いていたり、沙耶の浮気現場に踏み込めなかったり、ちょっと頼りない一面がある男性です。徹のような男性をどう思いますか?

うーん…何でも尽くしていくのが当たり前になっちゃうのはとても悲しいなって思うので、なんでもしゃべってほしいですね。そんなに見栄を張って嘘をついてほしくない(笑)。仕事がないわけではないじゃないですか。一流ホテルで働くという大きな夢があるんですけど、職に就かなくてフラフラしているよりかは…。まだ、若いんだからいいじゃんって思います(笑)。

――一方の沙耶は、ミュージシャンを夢見る女の子。レコード会社の社員から枕営業を求められて葛藤する姿は印象的でした。

等身大の女の子だと思います。夢とか追いかけているものが何もないというよりかはいいことだと思いますし、1つをがむしゃらに追いかける…そうありたいなというのも私にはあるので。やっていることが正しいのかは分からないですけど。

――ギターの弾き語りシーンはずいぶん苦労されたと聞きました。ラストカットは5~6時間ほどかかったそうですね。

本番になってみると「弾く」「歌う」「泣く」を同時に演じるのはすごく難易度が高くて。歌えなくなったり、弾けなくなったり…大変でした(笑)。でも、監督が「粘ろう」と言ってくださって。スタッフさんたちは夜中から翌日の夕方ぐらいまでの現場だったと思うんですけど、撮り終えるのを一緒に待ってくださっていたので、本当にうれしかったですね。

――廣木隆一監督からは、演技に関してあまり具体的な指示はなかったそうですが、ギターのラストカットでも同じでしたか。

そうですね。途中で止まってしまうこともたくさんありました。2カット撮って、1カット目はすぐにOKだったんですけど、2カット目がすごく時間がかかってしまいました。

――OKの瞬間は? もう覚えてないくらいですか(笑)。

とってもハードな日だったので(笑)。夕方終わりだったのに、「さぁ、帰って寝よう!」みたいな状態でした。撮影がはじまる1カ月半ぐらい前から、先生のところに行ってずっと練習していました。

――そこまで苦労したら、ギターにハマってしまいそうですが。

うーん…私はすごく頭が固いので。あとは神経質なので、ラフに弾いて歌うというのができなくて。ちゃんとやらないと、やるのが恥ずかしくなってくるというか。だから、全然弾けないです。でも、あんなに一曲丸々を使っていただけるとは思ってなかったので、とってもうれしかったです。

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目次
(1) 「1つをがむしゃらに追いかける」という理想像
(2) 経験を重ねて「すごく現場に居やすくなった」

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