シャープは、2015年の春商戦に向けた液晶テレビの販売施策について説明した。薄型テレビの買い替えサイクルにあわせた「縦横無尽」と呼ぶ新たな提案施策のほか、デジアナ変換サービス終了に伴う買い替え需要に最適化した製品の投入によって、販売拡大につなげる考えだ。

シャープ デジタル情報家電事業本部国内営業統轄の居石勘資氏は、「2004年度から2007年度までに薄型テレビを購入したユーザーの買い替え需要や、2009年度以降に販売された32型テレビからの置き換え需要が見込まれている。そんななかで、シャープは横方向だけでなく縦方向へのインチアップを行う『縦横無尽』の提案をする。また、今年3月に控えたデジアナ変換サービスの終了に伴って発生する525,000台の特需に対して、ブラウン管テレビから液晶テレビへの買い替え提案を行っていく」とした。

デジアナ変換サービスの終了にともなって

シャープ デジタル情報家電事業本部国内営業統轄の居石勘資氏

同社によると、ケーブルテレビのデジアナ変換視聴可能世帯数は2,532万世帯。そのうちデジアナ変換サービスのみを利用している世帯は4.2%で、105万世帯になるという。105万世帯のうち「デジタルテレビに買い替える予定がある」との回答が50.0%を占めている。そこから逆算して、525,000台の買い替え需要があると想定している。

「すでにデジアナ変換サービスが終了した地域では、サービスが終了する間際、あるいはサービスが終了してから慌ててデジタルテレビを購入する、といった例が出ている。2001年に発売したAQUOSの第1号液晶テレビはアナログ。液晶テレビだからといって、すべてがデジタル放送対応ではない。また、1台目のテレビが地デジ化していても、ベッドサイドのテレビはデジアナ変換サービスの対象という場合もある。アナログテレビをデジタルテレビにきちっと置き換えていくのが、今年の春商戦の重要な施策になる」とする。

あくまで可能性レベルだが、52.5万台の需要が見込める

ブラウン管テレビやアナログ対応の液晶テレビの多くは、画角情報が4:3となっており、デジタルテレビの画角情報16:9とは異なる。「ブラウン管テレビからデジタルテレビへの買い替えにおいては、ワンランクアップの画面の高さを提案することで満足度が高まる。4:3の29型テレビから移行する場合は、同じインチサイズでは画面が小さくなる。40型の提案が、後悔しないテレビ選びにつながる」と一例をあげる。

ブラウン管テレビからの買い替えでは、画面の高さをワンランクアップすることを提案

シャープは、40V型のLC-40H20(市場想定価格、税別90,000円前後)、32V型のLC-32H20(同60,000円前後)といった普及価格帯の製品を新たに投入。29型や25型というブラウン管テレビで主流だったサイズからの買い替え訴求を行う考えだ。