浮上か潜行か?

結局はっきりしているのはグラスによる実験段階は終了したということだけだ。次世代グラスが登場する可能性は低くはないが、一般消費者向けの製品でなく、企業向けの特殊な製品になる可能性や、前述のように、このまま消えてしまう可能性も残っている。ただ、企業向けの製品であれば、すでに複数メーカーからHMD(ヘッドマウントディスプレイ)やウェアラブルデバイスが出荷されており、必ずしもグーグルの参入が必須という分野でもない。

動向がある程度、確定するのは、この次に何らかの動きや発表があったときだ。スマートウオッチに限らず、グーグルは、ハードウェアの開発は、ハードウェアメーカーとの協力で製品化している。自動運転自動車に関してもメーカーと協議を開始したことを公開している。これに対して、グラスはグーグルが単独で開発を行ったもので、いまのところグラスでハードウェアメーカーと提携するという話は出ていない。

もし、次世代のグラスがあるとすれば、複数のハードウェアメーカーとの協業などの発表が近い将来にあるはずだ。また、次世代グラスの発表があるとすれば、今年5月に開催予定のGoogle I/Oがありえるだろう。逆に、通常のグーグルのビジネススピードを考えると、この時点までに何もイベントがないようなら、グラスのプロジェクトは、技術開発としてのみ継続する「潜行状態」に入ったと考えていいだろう。