【レポート】

税理士が年末調整のコツを伝授!!スムーズに終わらせる方法や落とし穴

2015年も明け、年末調整も一段落という中小企業も多いと思う。毎年のことながら、経理担当者としては多いに忙しい時期でもあり、何とか効率化を図れないものかと頭を悩ませていると思う。そこで今回は、税理士法人新日本 東京事務所 代表税理士の八木俊助氏に、年末調整をスムーズにこなすためのコツをお伺いしてみたいと思う。

社員同士のコミュニケーションが必要となる年末調整

-年末調整はどの会社も大変ですが、どの辺りに要因があると思いますか?

税理士法人新日本 東京事務所 代表税理士 八木俊助氏

八木氏 まずは、年末調整でご苦労されたみなさま、お疲れさまでした。年末年始の業務が忙しい時期にやることになるため、負担も大きいと思います。ですから、年末調整に掛ける業務ボリュームはなるべく軽減したいですね。しかし、年内に年末調整を終わらせることができる中小企業は少なく、1月に入ってから対応するといった企業が多いのが実情です。

経理部門があればまだ別ですが、兼任経理担当者などは、年末年始の忙しい時間の大半を年末調整の作業で取られることになり、多大な負担を抱えてしまうのもこの時期の特長でしょう。それに加えて申告書類の配布、回収から始まり、それらを集計して年末調整の金額を決めなくてはならないのです。しかし、年末調整は避けて通ることはできません。ですから、単純に作業量が増えるからというだけでなく、負担が重なる状況をいかに打破するかが問題なのです。

-なるほど、単純に効率化を求めるだけでなく、ワークフローの見直しも必要なのですね。

八木氏 はい。効率化の点でいえば、自動化させることがもっとも簡単な方法です。すなわち給与計算ソフトなどを導入し、あらかじめ年末調整に備えて社員情報などをインプットしておくことで負担は軽減できます。しかし、会計ソフトや給与計算ソフトを導入したはいいものの、有効活用できていない中小企業が多いのも実情です。定期的な社員情報の入力を行わず、年末調整の時期まで未入力のままであれば、その年におこなう作業は膨大になることは当然です。

また、新入社員、退職者が出た場合はもちろん、結婚や転居といった情報をすべて把握することはできても、ソフトウェアに即時反映させる作業までは追い付かないというケースも多いと思います。ですから、ソフトウェアを入れただけでは、なかなか改善しないのでしょう。

-年末調整が大変だというだけでは進まないのですね?

八木氏 実は、社員情報の入力は一番気を使うところです。絶対に間違えてはいけませんし、もし間違いがあった場合その社員はすぐに気が付きます。年末調整の結果として源泉徴収書が発行されますが、それに伴い課税証明書などの書類も送付される。これが子供の幼稚園入園に必要だったりするので、各社員にとってはどの書類も大切なものとなります。

年末調整でできあがる書類はたくさんありますが、それらの利用方法も多岐に渡っていることを認識しておくべきでしょう。各社員に記入してもらう給与所得者の申告書が何通かありますが、住宅ローン控除などを申請するには、扶養家族のパート状況なども把握しなければなりません。ミスのないスムーズな年末調整をするには、それぞれの社員のみなさんと協力しあうことも大切です。

「きちんと申告すれば得をする」ということを伝えることが大切

-八木様が考える年末調整の負担を軽減するコツはありますか?

八木氏 まず、なによりも時間が掛かってしまうのが申告書類の回収です。記入忘れ、添付書類忘れなどはもちろん、同居している扶養家族が年度内に扶養から外れる等、各社員の状況もさまざまですから提出が滞ることもよくあります。これが年末のギリギリの時期に重なると、申告書類が手元に無いわけですから計算もできません。

そうした状況を回避するためには、早めのアクションが大切です。せめて9月に一度全社員に年末調整が近づいていることを告知し、10月頃には一度記入してもらい、変更する部分があれば未確定を前提に理由を書いたメモを貼るなどして、回収することはできるはずです。また、社員に各項目への入力を強制しないという方法もあります。書くのは面倒でも、必要な書面を添付して提出すればよいとなれば、社員の方々の協力姿勢も変わってきます。

何よりも大切なのは、控除できる部分をきっちり申告すれば得をするという事を説明することです。申告書類への記入に不慣れな社員だと、マニュアルを見ながら試行錯誤しなければなりませんから、自然と手が遠のきます。それを少しでも経験のある経理担当者や兼任担当者が代行してあげることで、早期の年末調整が可能になるはずです。

つまり、なるべく早くに申告書類を回収できれば、それが後々の自分を楽にすることに繋がります。多少の負担が発生しても、それまでの苦労とは質が違います。率先して経理担当者や兼任担当者が手を挙げることで、良い結果が生まれるはずです。

チャレンジのつもりで自分に合ったソフトウェアを探す!

-実務面では早めのアクションが大切なことは分かりました。では、自動化に必須のソフトウェアの選び方や運用方法にポイントはありますか?

八木氏 給与計算は難しいですから、ソフトウェアも最初はやりづらさを感じるかも知れません。しかし、まずは直感的に自分に合っているなと思える製品を探すことが大切ですね。それに加えて給与計算は修正が発生しやすいので、編集が簡単にできるといった部分も、やりやすさを感じることに繋がると思います。

ただし、中小企業の多くは給与計算のためだけに予算を割くことは難しいでしょう。例えばフリーウェイジャパンの「フリーウェイ給与計算」は、従業員5名まで無料で使えるうえに、基本的な機能はすべて備わっています。編集もおこないやすいので、最初のチャレンジとしては最適ですね。

運用面に関しては、先にもお話しましたが社員の情報を入手したら、なるべく早めに入力しておくことが必要です。せっかく早めに申告書類を回収しても、それが手付かずでは意味がありませんからね。もちろん、回収する時期でないときでも、扶養家族に変化があったり、退職希望者や入社希望者が出てきた場合は早めに対応しましょう。

また、ソフトウェアの入れ替え時や初入力時のことですが、どのような形であれ、以前のデータを引き継げることが大切だと思います。例えばCSVでインポート、エクスポートできるというだけでも全く違います。先ほども言いましたが、給与計算は間違えられない性質を持っています。どのような形でも、確定事項や数字がコピー&ペーストできれば移行作業はそれだけ確実になります。

-最後に今年度の年末調整をおこなう担当者にアドバイスをください

八木氏 年末調整は私自身でも手間だと思える作業ですから、みなさんはもっと負担を感じていると思います。実務面では早めのアクションを心がけ、運用面では信頼できるソフトウェアを見つけてください。先ほど紹介した「フリーウェイ給与計算」のような無料で使いはじめることができるクラウドサービスもあります。ひとつのPC環境に依存せずにどこからでも使えるので便利でしょう。

給与計算ソフトに関しては、まずやってみる、触ってみることが何よりも重要です。もし失敗しても、それが自身の成長に繋がりますし、気付きも得られます。来年度からはマイナンバー制度なども始まり、更なる負担増が見込まれるでしょう。ですから、尚更早くから動いて、その時がきても慌てずにすむような環境を作るため、自らチャレンジしてみてください。

-ありがとうございました!

話者プロフィール

税理士法人新日本 東京事務所 税理士 八木俊助氏(所属 東京税理士会麻布支部)
昭和53年1月19日生 東京都出身
平成24年4月八木税理士事務所開業
「シンプルに、ガッチリ節税」をモットーとし、相続、贈与などの資産税を得意とする。
平成26年11月には「会計事務所決算品質大賞」で1位を獲得。

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