日本でもトリックアートとして人気のだまし絵(立体画法)だが、アジア各国にも3Dアート美術館があり世界的に人気だ。そんな中、満を持して香港初の3D美術館「香港3D奇幻世界」が2014年7月に誕生。香港らしいオリジナル絵画も含め、迫力満点の"疑似体験"がここで楽しめる。

一番人気の中国銀行タワー。各作品内でのポーズ例や撮影用ベストポジションのマークがあり、ここから超立体的写真が撮れる

4つのテーマで異空間体験

「香港3D奇幻世界」はヒルトンタワーの中という立地にあり、入り口はこじんまりしているのだが、中に入ると意外と広い。約1万平方フィート(約930m平方メートル)のスペースを使って4つのテーマの作品が約60点も展示されている。

テーマはそれぞれ、高層ビルや競馬場など香港の今ある建物の「香港文化」ゾーン、旧空港など古き良き時代まで表現した「オールド香港」ゾーン、中国将棋やパンダや兵馬俑などを描いた「中国文化」ゾーン、カップル向けのロマンチックな「ラブジャーニー」ゾーン、恐竜や野生動物、仮想世界を体験できる「空想の不思議」(非現実)ゾーンなどがある。

現状の建物や風景で遊ぶ「現代の香港」ゾーン

古き良き時代の「オールド香港」ゾーン

古典的な絵が並ぶ「中国文化」ゾーン

ロマンティックな「ラブジャーニー」ゾーン

他国の3Dアート美術館を見て回った社長がだまし絵の面白さを気に入ったことにはじまり、「同じものを持ってくるより香港オリジナルなものを作りたい!」という思いから、中国人のアーティストに依頼したそうだ。そのため、香港や中国の文化にちなんだものが多く展示されることになった。

テーマもオリジナルで興味深いが、壁2面と床まで使った作品がそこかしこにあり、立体画法の飛び出してくる感に加え、さらに3面の絵画でより迫力満点なのだ。

誰でもオーバーヘッドができる!

撮影スポットとして一番人気なのは、香港摩天楼のシンボル・中国銀行タワーの天辺からぶら下がるというか、「落ちそう!」感を演出できる作品だ。もうひとつ、記念に挑戦したいのがサッカーのオーバーヘッド体験。これも撮影した後にひっくり返すというものだが、手足の動きひとつで迫力が全然違うのだ。そのため、撮影時間が延びてしまうスポットでもあるが、撮影して友人に送ってみれば驚かれること必至だろう。

オーバーヘッド展示は、出口近くのため時間帯によっては渋滞するので要注意

撮られる側のポーズと表情などの演技力も必要だが、ベストショットを撮るためのベストな角度と距離が分かる指示があるため、安心して撮影できる。また、カメラのレンズを通すと、より立体的かつカラフルで不思議な3Dが体験できるので、撮影しなくてもレンズ越しに鑑賞するのもおすすめだ。

展示点数約60点のうち、イベント期間は1~2割くらいが入れ替わるという。なお、3月に開催される「ワンピース展」では、半数弱が入れ替わる予定となっている。

※記事中の情報は2014年10月取材時のもの