2015年の注目のスマホ関連ニュースは過去を探ることで見えてくる。では、どんなトピックに注目したらいいのか。本連載では、マイナビニュースで執筆するライターに、期待が持てる2014年のスマートフォン関連ニュースについて取り上げもらう。第3回は海上忍氏のレポートをお届けする。

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もっとも注目度の高いデジタルデバイスと言っていいスマートフォンは、スマートフォン単体はもちろんのこと、クルマや住設機器にまで大きな影響を与える存在にまで成長した。ひと昔前のスーパーコンピュータに匹敵する性能と高速通信を手のひらで展開できるだけに、さらなる成長/変化を遂げる可能性を秘めている。

そんなデバイスなだけに、2014年も関連ニュースは盛りだくさん。なかでもこの先数年で大きな変化をもたらしそうなニュースを5つピックアップし、コメントしてみよう。

1. SIMロック解除/SIMフリーへの移行

2014年に、明確なトレンドとして見えてきたのは「SIMロック解除」および「SIMフリー」へのシフトだろう。これまでも3大キャリアのうちNTTドコモはSIMフリーに柔軟な姿勢を示し、契約者からの求めに応じてSIMロック解除を受け付けてきたが、iPhoneが除外されるなど統一基準に従うものではなかった。

しかし、総務省は昨年10月末にSIMロック解除に関するガイドラインの改正案を発表、2015年5月以降発売分からSIMロック解除が義務付けられることとなった。携帯電話会社のビジネスモデルに一定の配慮をしたものと考えられるが、通信事業と端末販売の分離を明確化しようとする意図は明らか。今後は通信サービス再販事業者(MVNO)の増加および通信料金の低下が期待される。

日本で高いシェアを持つAppleは、iPhone 6/6 Plusの発売と同時にSIMフリー端末を売り出した。これは強い商品力を持つAppleだからこそ可能だったともいえるが、今後SIMロック解除/SIMフリーが浸透すれば、キャリアと端末メーカーの力関係も大きく変わることだろう。

2. 次世代音声通話サービス「VoLTE」スタート

昨年6月24日、NTTドコモはLTE回線を利用した音声通話サービス「VoLTE」の提供を開始した。au/KDDIは昨年の12月12日、ソフトバンクも同12月19日にスタート、これで大手3キャリアが出揃ったことになる。音質に優れ発着信の時間も短縮されるという利用者側のメリットもさることながら、回線交換網が不要になるため設備投資額を抑えられるというキャリア側のメリットも大きい。現状対応端末の少なさから利用者は限られているが、2015年以降は着実に利用者が増えるに違いない。

2014年、LTE回線を利用した音声通話サービス「VoLTE」が大手3キャリアで出揃った