名古屋の喫茶店と言えば"モーニングサービス"。ドリンクを頼むとトーストやゆで卵などが無料で付いてくるこのおまけサービスは、今や名古屋喫茶の代名詞だ。これを何よりの楽しみにしている出張族や旅行者も多い。そして現在、モーニングの進化版とも言うべきサービスが、名古屋近郊でじわじわ広がりつつある。その名も"アフタヌーンサービス"だ。

「カフェヨシノ」のアフタヌーンサービスでは、コーヒー(390円~)1杯にシフォンケーキ、ホットケーキ、冷やし白玉ぜんざいなどから1種類(季節により内容は異なる)が無料で付いてくる

200円追加するとさらに豪華に!

店によっては"ティータイムサービス"とも称されているが、これは午後の時間帯にドリンクにデザートなどがおまけで付くというサービス。しかも、パフェやケーキ、和のスイーツなど、それだけでちゃんとお金を取れそうな一皿が付いてくるのだ。

名古屋市内でこのサービスを一早く導入したのが「カフェヨシノ」。14時~17時の間、「+0円サービス」として、ドリンクにシフォンケーキ、コーヒーゼリーソフト、冷やし白玉ぜんざいなどから1種類を選んで付けることができる。また、200円プラスすると一層豪華になり、ホットドッグ、ホットケーキ&ソフト、シフォンプレートなどの中から好みの一品をセレクトできる。なお、コーヒーは1杯390円~となっている。

「カフェヨシノ」は郊外型の大型喫茶店。名古屋市港区の他、東海市(2店)、長久手市、稲沢市、あま市に合わせて6店を展開している

モーニングサービスが名古屋の都市部よりも郊外や周辺地域の方で充実しているのと同様に、アフタヌーンサービスも名古屋市外から広まりつつある。実際、カフェヨシノも名古屋市内の店は郊外の港区にあり、他の5店は東海市や長久手市、稲沢市など名古屋市外に店を構えている。

エッグトーストセットや和・洋のスイーツも

愛知県小牧市の「グリーンハウス」は、2006年の開業してすぐにこのサービスを導入した。とくとくセット(サラダ、コーヒーゼリー、エッグトースト)、ソフトクリーム、シューアイス、エクレア、あんみつ、わらびもち、雪見だいふく、たいやきの8種類と、選択肢が豊富で内容も充実している。こちらのコーヒーは1杯400円~だ。

アフタヌーンサービスの一番人気は「とくとくセット」。コーヒー代(400円~)だけでサラダ、コーヒーゼリー、エッグトーストも楽しめるので、遅めのランチにもなる。また、たい焼きもあんこが意外とコーヒーに合う?

「グリーンハウス」はカフェ激戦区・尾張地方(愛知県北部)の中でも高い人気を誇る

小牧市の隣に位置する春日井市には、「珈琲処 あさぎ」がある。こちらのアフタヌーンサービスでは、アイスクリーム、紅茶ゼリー、シフォンケーキの3種類から選ぶことができ、いずれも完成度が高い。コーヒーは1杯410円~で提供している。

「珈琲処 あさぎ」は靴を脱いでくつろげる掘りごたつ席も人気の和風喫茶。ティータイムサービスはアイスクリーム、紅茶ゼリー、シフォンケーキから選べる

●information
珈琲処 あさぎ
愛知県春日井市西高山町1-7-5

「タダでこんなにサービスしちゃって大丈夫なの?」と、うれしい反面、つい心配してしまう人も多いかもしれない。だが、喫茶店はドリンクだけなら他の飲食店と比べて原価率をかなり低く抑えることもできるため、おまけを付けてもそれで客数が伸びれば十分利益は出せるという計算が成り立つのだ。

「グリコ」のおもちゃのようにおまけがうれしいのは大人も同様。愛知にお越しの際は、ぜひとも喫茶店でお得なアフタヌーンサービスを!

※記事中の情報・価格は2014年12月取材時のもの。価格は税込

筆者プロフィール : 大竹敏之(おおたけとしゆき)

名古屋在住のフリーライター。雑誌、新聞、Webなど幅広い媒体で名古屋情報を発信。Webガイドサイト「オールアバウト」では名古屋ガイドを務める。名古屋メシ関連の著作を数多く出版。『名古屋の喫茶店』『名古屋の居酒屋』『名古屋メン』『続・名古屋の喫茶店』(リベラル社)は自腹リサーチをコンセプトにしてご当地ロングセラーに。10月上旬にはご当地グルメコミックエッセイ『まんぷく名古屋』(KADOKAWA、森下えみこ著)に案内人として登場。