最大9日間の大型連休も可能な今年の年末年始だが、このタイミングで帰省や旅行を予定している人は多いだろう。12月26日が仕事収めの人が多い今年は、27日から帰省ラッシュに入り、交通網が混雑することが予想される。

目的地までの移動手段として、新幹線を選択するという人は、混み合う車内での移動を覚悟しなければならない。200km/h超の高速運行が可能な新幹線だが、東京から新大阪間までかかる時間は2時間30分と長い。この混雑する車内での時間の使い方として、スマートフォンでWebサイトを閲覧したり、動画やゲームを楽しみたいという人は多いだろう。そこで気になるのが電波の繋がりやすさだ。今回、帰省ラッシュの時間を快適に過ごすため、携帯電話主要3社の最新スマートフォンをもって新幹線に乗り込み、LTE通信の繋がりやすさを調査してみた。

新幹線「のぞみ」と主要3社のスマートフォン

帰省の定番、新幹線「のぞみ」での電波の繋がりやすさは?

今回調査したのは東海道新幹線「のぞみ」の東京-新大阪間で、乗車時間は2時間33分。のぞみ4代目N700に乗車した。使用したスマートフォンは、NTTドコモが「ARROWS NX F-02G」、KDDI(au)は「isai VL LGV31」、ソフトバンクモバイルが「AQUOS CRYSTAL」。この3機種を使い、LTE通信がどれくらい安定しているかアンテナ(電波ピクト)を目視で確認し、各社のLTE通信が途切れた回数をカウントした。

左からドコモの「ARROWS NX F-02G」、auの「isai VL LGV31」、ソフトバンクの「AQUOS CRYSTAL」

調査スタート! 新幹線「のぞみ」の東京駅-新大阪間の様子

今回は12月20日早朝発ののぞみで調査。一般の利用が多い通常の指定席の三人掛けの窓側の席を確保した。結果は次のとおりだ。

新幹線「のぞみ」の時刻表。朝の7時20分の便に乗って調査スタート

3台のスマートフォンとカメラの配置。窮屈な座席がさらに苦しい

東京駅では、当然のごとく3社すべて、LTE圏内で、アンテナ(電波ピクト)も4本立っていた。東京駅から品川駅間、新横浜間においては、3キャリア問題なく通信状態は良好だ。

続いて小田原から三島、清水と続くトンネル地帯に突入する。このトンネルでパフォーマンスの差が出る注目ポイントである。目視で確認したときは、どのキャリアでもLTE通信が切れたようには感じられなかった。だが、取材後に調査の様子を記録したビデオで確認すると熱海にぬけるちょっと手前のところで、ほんの一瞬のことで気付かなったがドコモが3Gに切替わっていたようだ。

熱海へ抜けるトンネルの出口付近でドコモの通信回線が3Gに切替わった。後ほど ビデオで確認してわかった

名古屋を超え、最後のチェックポイントである岐阜、大垣、関ヶ原と進み米原に向かうトンネル地帯で、ソフトバンクがいきなり圏外になり、数秒後にはすぐ復帰。LTE通信が途切れるだけではなく、3Gもエリア外となった。またこの時、ソフトバンクに注意を奪われ、気がつかなかったが、またしてもドコモが3Gに落ちていたようだ。

新幹線から見える鈴鹿山脈

ソフトバンクが切れるわずかな瞬間の映像。左側がドコモ、中央がau、右側がソフトバンク。分かりづらいがアンテナ(電波ピクト)はすべて立っておらず、左上にちいさな×印があるのがわかる

その後は新大阪まで、3社ともに安定した通信を実現。アンテナ(電波ピクト)の本数の変化が何回かあったがLTE通信が途切れることはなかった。

10時53分、新大阪へ到着

今回の調査では、auはLTE通信が終治途切れることはなかった。ソフトバンクは、関ヶ原近くのトンネルで1回LTE通信が切れ圏外となった。ドコモについては、取材時はまったく気が付かなかったが、トンネル地帯で2度ほど3Gに切替わったようだ。あくまで筆者の主観だが、通信が切れたと感じたのは、ソフトバンクのみだ。

LTE通信が途切れた回数

なお、今回の調査を映像に記録したものがあるので、ご確認いただければ幸いだ。

LTE維持率調査結果映像:YouTube

LTE通信を活用したVoLTEに注目

本稿で紹介した通り、東京-新大阪間の新幹線内においては、各社ともに比較的安定したLTE通信が可能なようだ。ただしドコモ、ソフトバンクについては、瞬間的ではあるがLTE通信が途切れた。一方、auは一度も途切れずLTE通信が利用できた。筆者としては3社ともに問題なくインターネットに接続できると評価したい。

さてLTE通信が繋がるのであれば、次に気になるのがLTE通信を用いた各社のサービス内容だ。今、各社が導入を進めている、LTE通信を活用して従来の音声通話より高音質な通話を実現する「VoLTE」(Voice over LTE)サービスでは、どのような違いがあるだろうか? ちなみにVoLTEはドコモが今年6月にいちはやく同技術を採用したサービスを開始し、続いて12月12日にauが今回使用したisai VL LGV31の発売と同時に「au VoLTE」をスタート。ソフトバンクも12月19日より提供を開始している。

現時点で最もサービスが充実しているのがau VoLTEだ。例えば、LTE通信で接続された離れた場所にある2台のスマートフォンを同期させ、接続相手とWebサイトやカメラ映像、位置情報の共有が高音質のVoLTEともに実現できる「シンクコール」機能が利用できる。 混み合う車内ではマナーとして通話こそできないが、離れて座る友人とスマホの画面を共有したり、帰省先の家族に向けて車窓から見える景色や現在地の情報をリアルタイムで届けたりすることが可能だ。このほかドコモ、ソフトバンクは、VoLTE対応端末ではない特定の3G端末でも高音質通話が利用できる「HD Voice(3G)」を提供。ドコモはさらに、ビデオ通話ができる「ビデオコール」などを提供している。

2014年も残すところあと数日。年末年始に長時間、混雑した新幹線に乗車するという方は、ぜひ本稿を参考にしていただきたい。