全国1億3000万人のドラゴンボールファンの皆さん、こんにちは。ドラゴンボールと共に幼少期を過ごし、ドラゴンボールと共に育った、いちドラゴンボールファンでございます。当時は毎週のアニメはもちろん、ドラゴンボールの映画を見るのが毎年の楽しみでした。

『ドラゴンボールZ 神と神』 放送:1月1日(木・祝)午後0:00
(C)バードスタジオ/集英社(C)「2013 ドラゴンボールZ」製作委員会

そんな「ドラゴンボール」を始めとする「冬休み「ジャンプ」劇場版アニメ特集」が、WOWOWプライムにて12月30日(火)から5日連続で放送されるとのこと! 僕も今からワクワクしておるわけですが、その話を知人としていたところ、「ドラゴンボールで一番登場回数が多かった技って、やっぱりかめはめ波なの?」という話題になりました。

……どうなんだろう……。

かめはめ波といえば、ドラゴンボールでも初期の頃から登場している技であり、劇中で何度も使われているため「一番多く使われた技」というイメージがこびりついているのですが、本当にそうなのでしょうか? 単に、あの「か~め~は~め~」というセリフが印象に残っているだけという可能性はないでしょうか。

気になったら調べてみるしかない!

ということで、今回はドラゴンボール全42巻を一気に読破し、「ドラゴンボールで一番多く使われた技は本当に"かめはめ波"なのか?」を調査してみたいと思います。

検証ルール

なお、今回のルールは次の通りです。

・名前がはっきりしている必殺技をカウントする
※技名を叫ぶ、明らかにモーションがそれ、など
・モーションなどから技名がはっきりしないものはノーカウント
・微妙なものについては都度判断
・原作で登場したの技のみ。ゲームなどで名前がついた技はノーカウント

さあ、どの技が多かったのか?

検証開始!!

【1巻~5巻】ドラゴンボールがまだ「Z」ではなく、悟空も子どもでほのぼのしたアドベンチャー漫画だった頃。最初に孫悟空が使ったのは、「棒よ伸びろ」のかけ声と共にヤムチャに向かって放たれた如意棒 (にょいぼう)。でもこれは「技」というか「武器」ですよね。とすると、そのヤムチャが使った「狼牙風風拳」(ろうがふうふうけん)が、ドラゴンボールにおける記念すべき最初の「名前のついた技」となります。

1巻では懐かしの「ジャン拳」もすでに登場しており、ここから7巻くらいまではたまに登場しています。技としてとてもわかりやすいので、カウントもしやすかったです。なお、2巻では武天老師様(むてんろうしさま)の登場により「かめはめ波」が初出。2巻だけで3回登場するという使われっぷりで、すでにナンバーワンの風格が漂っています。

また、4巻では、ここでしか登場しないのになぜか有名なナムさんの「天空×字拳」(てんくうぺけじけん)が登場。やっぱり名前がインパクトあると覚えられやすいのでしょうか。

【6巻~10巻】レッドリボン軍との戦いが始まり、そのあたりのキャラが使う技が多く出てきます。「ブーメラン手裏剣」とか「忍法タタミ返し」とか、後半の展開からは考えられないほどのほのぼの感。もちろん、「かめはめ波」も順調に各巻に登場しており、カウントを増やしています。ジャン拳もまだまだメジャーで、この時点ではかめはめ波と双璧をなす技と言っていいでしょう。

8巻から10巻にかけては桃白白(たおぱいぱい)やジャッキー・チュンが登場。戦闘のレベルも上がり、新しい技も続々登場します。注目すべきは「どどん波」と「残像拳」(ざんぞうけん)。特に後者はこの後も何度も登場するのですが、いつの頃からかベーシックな技になりすぎて名前を呼ばれることがなくなり、「本当に残像拳なのか」が確信できず途中でカウントできなくなった不遇の技です。

でも、ドラゴンボールってそういう技がいっぱいあるんですよね……。たとえば、10巻で初出の舞空術(チャオズ)。最初こそ驚きの的だったものの、中盤以降は皆当たり前のように空を飛び始めるので、もはや「舞空術」(ぶくうじゅつ)という技としてカウントしていいのかわからなくなり、カウント対象外になってしまっています。もし「空を飛ぶ=舞空術」としてカウントしていいなら、間違いなく1位でしょうけど。

【11巻~15巻】天津飯とチャオズの活躍が目立つ11巻では、相変わらずかめはめ波や残像拳あたりが頻出。そんな中、「太陽拳」(たいようけん)が初登場します。ご存知、目眩ましに使うこの技は、代用技がないこともあって、この後メジャーな技の一つになっていきます。12巻以降にはピッコロ大魔王の登場もあり、天津飯の「気功砲」やヤムチャの「繰気弾」(そうきだん)など、新技が多数登場。そんな中、安定してカウントを増やしていくのが、やっぱり「かめはめ波」

……かめはめ波の何が今回の企画に強いかって、毎回ちゃんと技名を叫んでくれるのと、使い手が多いのと、手の形でかめはめ波だってことが確信できることですよね。他の技は「アレかな~? でも違うかもしれないからスルーしとくか……」ってなるんですが、かめはめ波は出てきたら必ずカウントされますから漏れがないのです。

【16巻~20巻】ピッコロとの戦いも終わり、ドラゴンボールも「Z」となり、いよいよ本格的なバトル漫画として開花。サイヤ人襲来編ではいくつもの重要な技が登場します。その一つがクリリンの「気円斬」(きえんざん)。これ、派生技も含めるとけっこうな回数使われているんですよね。肉体にダメージを与えるというよりも、問答無用で切り裂くという特殊効果が作者的にも使いやすかったのでしょうか。ただし、今回はきちんと「気円斬」という名前が呼ばれたときのみカウントです。あ、そうそう、単なるエネルギー弾には名前がないので技としてはカウントしていません。

そして、孫悟空の必殺技「界王拳」が19巻で登場します。これもこの後、ずっと使われる技になりましたね。やっぱり、毎回発動のたびに「界王拳◯倍!」と叫んでくれるのでカウントしやすかったです。

20巻ではベジータとの戦いがついにクライマックスへ。ここでは「元気玉」が初めて登場します。さらに、界王拳、太陽拳、気円斬なども順調にカウント増。「強敵にも使える技」と「強敵には使えない技」で使い勝手にはっきりした差が表れてきた感じですね。初出時にどんなに強力でも、それを使うキャラが戦力外になると技自体も使われなくなっていきますし(ex:天津飯)、技の効果自体に個性があるもの(界王拳や太陽拳、気円斬など)は生き残っていっている印象です。