スズキが12月22日に発表した、8代目となる新型「アルト」。都内で行われた記者発表会では、2015年3月に「アルト ターボ RS」も発売予定であるとアナウンスされた。ターボモデルの設定は、5代目「アルト」「アルトワークス」以来となる。

2015年3月発売予定の新型「アルト ターボ RS」も展示された

丸くてかわいらしい先代から、角張った力強いデザインへ

ガソリン車ナンバー1に返り咲いた37.0km/リットルの低燃費や、現行の4人乗り軽自動車で最軽量となる車両重量610kgの実現など、話題の尽きない新型「アルト」。中でもひと目でわかるのが、デザインの刷新だ。

先代モデルの丸くてかわいらしい印象から、シャープでかっこいいイメージへ変化し、"ゴテゴテ感"のないすっきりしたデザインに。歴代モデルをほうふつとさせるグリルやバンパー開口部の意匠なども印象に残った。発表会でプレゼンテーションを行ったスズキ代表取締役副社長兼四輪技術本部長、本田治氏は、「装飾的なことや華美なことではなく、上質でシンプルな美しさを求めた」と説明した。

新型「アルト」のトップグレード「X」。2トーンバックドアも設定

インテリアもすっきりした印象に(写真は5MT車)

5MT、CVT他にか5AGS(オートギヤシフト)も設定

さらに本田氏は、「アルト ターボ RS」を2015年3月に発売予定であることも説明した。スペックなどの詳細は明らかにしなかったが、「高剛性の軽量化ボディによる最上の走りが楽しめる軽をめざし、開発を進めている」とコメントした。

発表会の会場には、外観のみ見学可能な「アルト ターボ RS」も展示されていた。フォグランプの追加やグリルの変更をはじめ、細かい違いはいろいろと見られるものの、基本的なデザインはNAの「アルト」と共通だ。新型「アルト」の角張った力強いデザインに、ターボエンジン搭載のスポーツモデルの設定はたいへん似つかわしく思え、往年の「アルトワークス」同様、「ボーイズレーサー」を連想させた。

プレゼンテーションにて「アルト ターボ S」も紹介された

軽量と高剛性とを両立した新プラットフォーム

37.0km/リットルの低燃費や、最軽量モデルのわずか610kgという車両重量、そして本田氏のコメントにもあった「高剛性の軽量化ボディ」の実現に貢献しているのが、新型「アルト」から採用された新開発プラットフォームだ。

主要な構造や部品の配置が全面的に刷新され、なめらかな形状として補強部品を減らし、骨格部を連続化することで、従来よりも少ない部品で十分な剛性を確保しているとのこと。プラットフォームを含め、ボディの46%に使用されたという軽量な高張力鋼板の貢献度も大きいだろう。

新型「アルト」で初採用された新開発プラットフォーム

エンジンも60kg中、約5%の軽量化に寄与したそう

従来モデル比で60kgの軽量化を達成するため、ボディはもちろん、エンジンや足回り、シートに至るまで軽量化を徹底したという。機構が複雑化し、高い安全性能も求められる昨今、もともと700kgを切っているところから、さらに60kg軽くするというのは、なかなか困難なチャレンジだったであろうことが想像できる。

ターボモデルは過給機やインタークーラーの搭載などにより、重量はいくらか増すと予想されるが、同時に最高出力もアップするはず。パワーウェイトレシオも、かつての「アルトワークス」に迫る数字になるのでは!? 来春の発表に期待が高まる。